「アート・オブ・スパイダーマン:スパイダーバース」を読了する。

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「アート・オブ・スパイダーマン:スパイダーバース」
「アート・オブ・スパイダーマン:スパイダーバース」
タイタンブックス
著者:ラミン・ザヘッド
出版:SPACE SHOWER BOOKS
初版:2019年3月1日
購入:2019年4月8日
価格:3996円(税込)


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劇場版「若おかみは小学生!」アートブックを読了する。

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「若おかみは小学生!」アートブック
劇場版「若おかみは小学生!」アートブック
ポストメディア編集部
著者:岡本大介
出版:一迅社
初版:2019年2月20日
購入:2019年4月2日
価格:3300円(税込)


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「若おかみは小学生!」劇場版を鑑賞する。

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「若おかみは小学生!」
「若おかみは小学生!」
配給:東宝/GAGA⭐︎
制作:DLE/マッドハウス
原作:令丈ヒロ子/亜沙美
監督:高坂希太郎
2018年9月21日封切り

原作を読んでいないので比較しようはないけれど、多分TV版の方が原作には近いんじゃないかな、と思いつつ。
TV版はタイトルから連想させる通りにゆるふわな展開で、なんにでも真摯で率直なおっこが幽霊や小鬼の助けを借りて、女将修行に精進する様が描かれる。一癖も二癖もある宿泊客を相手にその問題を解決して、旅館経営のあり方や温泉町の将来像、おっこ本人の将来のあり方などが見えてくる様はまさに少女文庫の名にふさわしい。実際このタイトルと「黒魔女さんが通る!!」はイラストの可愛さも相まって以前から気にはなっていた。
さてその映画版である。公開の時期からして同時期の企画と思えるけれど、TV版の後半に流れる映画版のカットが実に素晴らしくて、TV版のスタッフは嫌だろうなーと思いつつの鑑賞でした。

以下ネタバレあり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冒頭、TV版では描かれなかった両親の交通事故のシーンが描かれる。ジブリ仕込みのやたら現実感のある風景で描かれる高速道路での衝突事故!
怖いンですけど…。
パンフに監督の言で「対象となる小学生くらいの子供に配慮して抑えめに」とあるけど、このシーンの重さで全体のトーンが下がる。もちろんソレは映画のクライマックスで昇華される重さではあるのだけど、これで対象年齢が二、三年上がったちゃったんじゃないかなと思える。途中で大型トラックとすれ違ったおっこがPTSDから過呼吸を起こすぐらいの丁寧な描かれ様だ。感情移入してる子供も心拍数上がるよそりゃ。しかもこの件でおっこを助けたらしい幽霊のウリ坊が、映画の後半で再びこの事故に向き合わざるを得なくなったおっこの救いに一切ならない。精神年齢が成長してしまったおっこには彼らの姿が見えないのだ。幻想を卒業して現実を生きる姿を描いていると取れる。こういう点も対象年齢が若干上がったと思えるところだ。原作のファンで、おっこの元気な姿を期待して観に来る少女にはいささか世知辛い風景だろう。幸いなことに日曜昼の回にも関わらず、子供の姿はほとんどなく、観ていたのは家族づれ一組とオッサンが数人だった。

ただじゃあ映画は残念なだけの作品なのかと言うとまったく違う。
ジュブナイル映画として素晴らしい出来だった。温泉に昔から伝わる神楽が映画としての骨格を支えているし(TV版にはない)、おそらく原作でもそうであろう秋野真月(通称ピンふり)の存在感が素晴らしい。小学生なのに。まさにライバル。敵と書いて友と呼ぶような奴だ。自分が一番好きなシーンは春の屋女将の関峰子の子供時代。お転婆な峰子が屋根に登るところ。作画が実に生き生きとしてて素晴らしかった。ワンシーンでウリ坊の気持ちが理解できた。

いい映画には必ず「美しい瞬間」がある。ハッと心に刺さる映像が。これは昔からのわたしの持論である。理由は知らん。

「宇宙よりも遠い場所」ファンブックを読了する。

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「宇宙よりも遠い場所」ファンブック
「宇宙よりも遠い場所」ファンブック
著者:アライブ編集部
出版:KADOKAWA/メディアファクトリー
初版:2018年8月23日
購入:2018年9月12日
価格:2700円(税込)


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SF三題

SFの定義は勘弁してください。

今期のTVアニメにはSFを感じさせるお話が多くて眼福でした。
それも往年のクラシックなSF。
わたし的にはハインラインやヴォーグトを思わせてくれました。
三本とも社会とか人類とかの大きな括りをひっくり返す大風呂敷でしたが、
最後は個人的な因縁に結論するのが、現代的とは言えるかな。

個人的な話から始めて社会や種族に帰結するのが往年の本道。

『正解するカド』
あんまり一般的な評判は聞かなかったけれど、本格SFの風格。
突如羽田空港に現出した巨大な立方体。
触れず、入れず、壊せない。
焦燥を募らせる政府や報道の前に現れたのは
立方体に取り込まれた政府職員の真道。
立方体カドとその持ち主らしいヤハクィザシュナのスポークスマンを
名乗り、来訪者が接触を求めていると告げる。

大体異邦からの来訪者はとんでもない結果をもたらすものと
相場は決まっていますが、その伝に漏れず、ヤハさんが
提供したのは無限電力装置ワム。
そしてその代わりに要求したのは「正解」だった…。

人智の及ばない技術、理解の及ばない道理に振り回される人類、
と言う昔ながらの構図。
有能な政府や官僚、自衛隊の抑制的な対応に「シン・ゴジラ」を
感じさせましたが、思い出したのは「首都喪失」。
むしろその原作である「物体0」だ。
ワムをめぐる国連との衝突などは如何にもだったが、次に紹介された
サンカは認識を書き換える装置で、実は世界は人類が思ってたよりも
重層的なものだったと知らされる。
そこに至りィザシュナの真意に懐疑的だった日本政府の代弁者遙は
真道に自分の疑惑を告げる。

この後の展開は真道と遙とヤハクィザシュナとの一見個人的な喧嘩に
見えるので好悪が分かれるかと思えますが、なかなかきれいな最終回でした。
小渕総理似の犬束総理が〆る談話が泣かせる。

製作は東映アニメーション:総監督は「翠星のガルガンティア」の村田和也さん:脚本は「アムリタ」の野﨑まどさんでした。

『ID-0』
時は宇宙開拓時代!
鉱石オリハルトの発見により跳躍航法と人格転移を可能にした人類は銀河へと
進出しつつあった。
オリハルトの研究者を目指す学生マヤは、事故の濡れ衣を着せられ逃亡者に。
助けてくれた採掘業者ストゥルティー号の元軍人グレイマンに雇われて、
復権を目指すが、一癖も二癖もあるストゥルティーの面々に乗せられて、
ますます罪状が増えていく悪循環。
謎の鉱石オリハルトを巡る軍とMTインダストリーの確執に巻き込まれていく。

これも昔懐かしいスペースオペラの構図。
しかも個人的な事情から世界のあり様へと展開していく王道。

人格転移が可能な世界なので人間はIDで管理されているが、
何故かIDの存在しないイドと呼ばれる人物の記憶を探す旅から、
マヤは濡れ衣を晴らせるのか!まで伏線本線がうまく絡み合い、
人類総力戦に結集していくお話の妙は「宇宙のステルヴィア」を
思わせる。

いささかネタバレになりますが、殲滅で解決しなかったのが
良かったですな。

製作はワールドコスプレサミット:監督は「無限のリヴァイアス」の谷口悟朗さん:脚本は黒田洋介さんだ。

『けものフレンズ』
正直最初は観てませんでした。
動物の擬人化それもみんなが可愛らしいケモミミ少女。
明らかにお金かかってない画面とシンプルな演出に「ウゴウゴルーガ」を
思わせるが、不穏な展開と廃墟探訪と聞いて見直しました。

サファリパークを思わせる島、ジャパリパークを舞台に自分探しに出かける
カバンだけを持ったカバンちゃんとサーバルキャットのサーバルちゃんの大冒険。

サバンナらしい平原にフレンズと呼ばれる少女たちが暮らしている。
どうもこのサバンナを含めたジャパリパークは放棄された遊園地らしい。
そこでサーバルに襲われたカバンは自分がどこから来たか判らない。
図書館に行けば何か分かるかも知れないと教えられ、パーク横断の
旅に出る。
フレンズたちは自分が造られた存在だと知っているが、元獣の哀しさか
そこから先へは考えが回らず、楽天的にその日を暮らしている。
人間は一体どうしたのか。カバンちゃんは人間なのか。

ウェルズの「モロー博士の島」を思わせるが、もうここに博士は居ない。

カバンちゃんは持ち前の知恵でフレンズたちの問題を次々解決し、
その旅はとりもなおさず人間の黎明からの旅をなぞることになる。

たどり着いた図書館で彼女を待っていた真実とは。

やぁーこのゴールが廃棄された図書館っちゅーのが。
たまらんね!トランターかよ。第二ファウンデーションかよ。
面白かったです。

製作は、けものフレンズプロジェクト(製作委員会らしい):監督/脚本は、たつきさん(ケニア出身だそうだ)

「君の名は。」を鑑賞する。

「生まれ変わったら東京のイケメン男子にしてくださいー!」
「その願い、叶えてしんぜよう。キュア、プラパパッ!」

本当に新海さんがこの脚本(ホン)を書いたのか?
無常観と云うかもののあはれと云うか、
「ほんに人の世といふはままならぬものよのう。」
「げにも、げにも。」
みたいな煮え切らん作風で、人間には興味ないんだとばかり
思っていたのに…。
神木隆之介くんはこんな役ばっかだな。
逆か。
こんな役の神木くんばっかり見てるんだな。

以下ちょっとばかりネタバレ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天頂で崩壊した彗星の核がそんなまっすぐ落ちてくるかなー。
と思いはしたものの、大カタストロフまでは実に楽しめた。
殊に前半のとりかえばや物語のテンポの良さには唖然とした。
主人公二人の生き生きとした表情。
それを支える美しい背景。
場所がズレているだけでなく、時間も微妙にズレていることに
気付くあたりからの断絶と復帰。
正に内的なベクトルから走らざるを得なくなるドラマツルギー。
見事だった。

だけに、隕石落下から変わった未来を生きる二人が出会うまでが、
クドい。
むしろこっちのまだるっこしさの方が本来の新海節とも思える。
でも今までの新海作品なら、自分の常識に押し流されて、相手の名を
問うとこまでいかなかったろう。

観客はこの二人が濃密な時間を育んできたことを知っているんだから、
いきなり抱きついたって文句は言わない。その後、
「えっと…誰だっけ?」でも良かったろう。

新海監督はいっつも自作が不本意な受け取られ方をしてる、実力が
不足してるみたいな事をおっしゃるが、今回のこれはどうだったのだろう。

直球ストレートだったのか、ちょいと粋なフォークボールだったのか。
シナリオが初稿からこの形だったのかが気になるが、
素晴らしい作品だった。


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「雲のむこう約束の場所」を鑑賞する。
「秒速5センチメートル」を鑑賞する。
「君の名は。」を鑑賞する。

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「ガールズ&パンツァー劇場版」を鑑賞する。

ネタバレは…あってもなくても一緒だろ!この映画は!

…焼き直しと云えばこれもTVシリーズの焼き直し。
「全国高校選手権に優勝すれば廃校は止めると云ったな、あれは嘘だ。」
文科省の汚い掌返しに唖然とする高校生達。
廃校取り消しを求めて、今度の相手は大学選抜チームだ!
しかも大洗戦車部八両対大学生チームは三十両で殲滅戦!
あり得ない!

だが!しかーしッ!

…燃えるのぉ。女の子ばっかで萌えアニメかと思いきやおもいくそ燃える展開。
TVシリーズを観てればなお燃える。
昨日の敵が今日の友。強敵ほど頼もしい味方は居ない。
どの戦車戦も工夫があって面白い。
昔の戦争映画へのオマージュも見事だ。
戦車に詳しければそこも楽しいし、この映画ならではの引きも楽しい。
劇伴と音響も聞き所だ。
劇場で、何度でも観たくなる。
時間も短い。

なんと云う優良なコンテンツだろう。
面白かった。


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ひらめき至上主義。

ものを作る人は総じてそうかと思うのだけど、インスピレーションを
大事にする。理屈だけで話作ったり、絵を描いたり、作曲したりしても
大抵つまらないものしか出来ないので。

でもそれに頼るあまり手段が甘くなるとせっかくのひらめきが台無しになる。

ひらめきを得たら、ちょっと間を置いて、なぜそれが良いと思うのかを考える。
その良さを理屈付けしたら、次にどう表現したらその良さを最大限引き出せるかを
考える。
一番良いのはそれが何故良いのかを他人に説明することだ。
説明している間にひらめきが確信に変わる。
自分の中で体系化される。
さらに説明しやすくなる。

Zガンダム以降の富野アニメに足らないのはそこでないかと思う。
富野監督はあれこれ思いつくアイディアマンだけど、Z以前なら
スタッフになんでそうなるの?と説明を求められていたのではないかと。

ある程度実績を作った今は「監督のやることだからなんか意味があるのだろう」と
スタッフがよく判んないけどその通りやってしまう。
結果、よく判んないアイディアの羅列で終わる。

でもアイディア自体にはそれぞれ驚きがあるから、なんか得た様な気になる。
トミノカントク、スゲー!じゃなくて、そこは勿体ないと思えと。
聞けと。なんでそうなるのかを聞けと。

しかし集団作業の(金のかかる)仕事がそんな訳の判んない主導で進むのか、
と云う疑問はある。

せっかくの才能が空回りしてる感がある。