「スパイダーマン:スパイダーバース」を鑑賞する。

「スパイダーマン:スパイダーバース」
「スパイダーマン:スパイダーバース」
配給:東宝/SONY
制作:SONY/コロンビア
原作:スタン・リー/スティーブ・ディッコ
脚本:フィル・ロード/ロドニー・ロスマン
監督:ボブ・ベルシケッティ/ピーター・ラムジー/ロドニー・ロスマン
2019年3月8日封切り

今日は「スパイダーバース」を観てきたのだが…。
エクセルシオールッ!
最高ッかよ!
以下ネタバレあり。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
正調ヒーロー譚である!
「キックアス」の様に斜に構えた感じは一切ない!
無力でどこにでもいる普通の少年があるきっかけでヒーローへの一歩を踏み出す!
ヒーローとは!鋼の肉体や大金持ちにのみ宿るこころのあり様ではなく、そうでありたいと強く願う姿勢!無力でひ弱で臆病な自分の中に斯くありたいと確固たる信念を宿すこと!
それこそスパイダーマンが昔から描いていた姿!
それを今!ここで!なんの衒いもなく描き尽くして居る!
なんという素晴らしさ!

映像と音楽のヒップホップさもさることながら、よく練られた脚本の持つ力がここにはある。父と息子の関係、甥と叔父との関係、悪党が心に宿す悲しみの影。

正体を知られた叔父が最期に残す言葉。
「お前は家族の誇りだ。ちゃんと真っ直ぐに生きろ、真っ直ぐにだ…」
家族を救えなかった無力感に打ちのめされる主人公モラレス。
復讐の怒りに燃えるがせっかく得た超常の力も満足に使えない。
師と仰ぐBパーカーに「どうしても行きたいなら俺を倒してみろ!」と煽られるも手もなくダウン。並行世界ですでにスパイダーマンとして活躍してる他のスパイディに君はまだ準備の出来ていない子供なんだと諭される。
だが父デイビス巡査の壁越しの独白に、怒りだけではない、ヒーローとしての決意を漲らせる。スパイダーマンを継ぐ時が来たのだ。
まさにBirth!
ここで魂を揺さぶられない男の子が居るだろうか。

そして並行世界のピーターBパーカー。
彼はMJと離婚し、事業にも失敗し、生活に疲れたスーパーヒーロー。
自分の世界ではヴィランに殺されてしまったメイおばさんとの再会、この世界ではまだピーターと別れていないMJの姿とモラレスの熱いこころに触発され、再びヒーローとして立ち上がる姿。最後に人生をやりなおしてみようとMJの呼び鈴を鳴らす彼を涙無くして見れない。
スパイディはみんな自分の世界では孤独なヒーローだ。
正体は市井の小市民で、誰にも頼ることが出来ない。いつ朽ちて折れてしまっても不思議はない。だが今は同じ様に大切な人を失い、それでも歯を食いしばって立ち上がるスパイダーマンがそばにいる。こんな嬉しいことがあるだろうか。

熱い。素晴らしい映画だった。


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「スパイダーマン:スパイダーバース」を鑑賞する。」への1件のフィードバック

  1. パンフによるとお父ちゃんポリスはファミリーネームがモラレスでないな。内縁のカップルなのか、マイルスは実の息子ではないのか。若い頃はギャングだったともあるから、その辺のイザコザを避ける為にわざと籍を入れてないのか。アメリカの「今」なのかな。

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