記事タイトル:「妄想代理人」を観了する。 


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お名前: ななかん
「妄想代理人」DVD1巻
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なかなか見応えのある…、いや、面白かったのだけれど、今監督の作品に
いつも感じる微妙な齟齬感の正体が、解ったというか…。

この人はどんな命題に対しても多分、他人事として処理しているのでは。
そこにはなんら共感や移入などまったくなく、ただ冷笑あるのみ。
共感のみを煽る作品が多い中では、異色な作劇法といえるが、実態は
単なるシラケに過ぎないような。

バランス感覚がいい、とはうまい褒め言葉だ。他には云いようがない。
安藤雅司さんがいい仕事をしている。

そう云えば、狂人のみが世界の真実を口にするのは、タルコフスキー監督の
よく好んだシークエンスだ。でもあの人の作品にはこんなニヒリズムなどは
まったく無かった。
どのように絶望的な状況であったとしても、素知らぬ顔で希望が併存していた。


元はと云えば、大友克洋さんだったり劇画だったりするのかやっぱり。 ビットリオ・デ・シーカが泣いてるよ草葉の陰できっと。

[2004年7月18日 21時54分39秒]

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