記事タイトル:「魔法少女まどか☆マギカ」を観了する。


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お名前: ななかん
全世界の厨二病患者にまたひとつ金字塔が打ち立てられた。(爆)
と云うか実に面白かった!

以下ネタバレ有り。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
普段、当たり前だと思っていることを疑問にして、価値観を揺さぶる。
SFというのはこういう展開をネタにしやすい分野だと思っている。
誰もがこれはこういうものだと、漠然と共感しているものを、
裏返したり斜めに置いてみたりする事によって、全く別の本質を
浮き上がらせる。
ここでは「魔法少女」という架空の概念、にも関わらず知っている人が
「なんかこういうモン」と思っているものを、そのフォーマットを忠実に
踏襲しながら、まったく違う側面を描きつつ、かつ最終的に肯定するという
力業を見せてもらった。
それは云うならば「新世紀エヴァンゲリオン」がウルトラシリーズや
ロボットもののスタイルを通して、違う次元にシフトしたようなものだ。
一体誰が魔法少女というものに、これ程までに過酷で残虐なイメージを
投影したろうか。
魔女や魔法使いと云うものは元来がこの世の理からはずれたチートの
様なものだ。それ自体に限界や法則が存在したりもするが、基本的に
常人が伺い知れない結果をもたらす。 増してや魔法少女はそれを行う子供なのだ。
かつて「奥様は魔女」や「可愛い魔女ジニー」などの柳の下を狙って
作られた企画「魔法使いサリー」は何故か主人公が子供だった。
以来、魔法を使う少女の系譜は連綿と続いてきた。
チートであるが故に「語ってはならない」という掟と共に。

今回もその掟は守られ、まどか達の戦いに大人は参加できない。
ただ一人娘の覚悟だけを気付いた母親が、その背中を叩いて送るのみなのだ。
世界の趨勢はこどもだけが握っている。 これを厨二病と云わずしてなんというか。

本来ならQBの脅威に対して、大人が全力を傾けるべきだろう。
異次元の存在たる「魔女」には現有兵器による物理攻撃が効くらしいから、
ほむら一人が孤独に戦うより、効率的に殲滅出来る可能性が高い。
物理攻撃を無効化してるらしい「ワルプルギスの夜」にだって、なんらかの
対処が取れたかもしれない。
呪いの具現である彼女らを救うことだって、まどか一人を人柱にせずとも
可能だったかもしれない。

でもまどかやほむらや他の魔法少女が敢然と抗ったことによって、
魔法少女と云う言葉に、新たな意味が付け加わった。
それはロボットがモビルスーツと呼ばれた瞬間にふさわしい。

今後「魔法少女」を冠にする時はまどかの戦いを念頭に思わぬ訳に
いかないだろう。それ程の事を1クールで描き切った。
素晴らしい仕事と認めざるを得ない。

魔砲少女リリカルなのはには彼女をバックアップする管理局、
魔法は使わないが努力と根性の無限力タカヤノリコにもガンバスター
という超兵器を開発する軍部という大人が出てくる。

時代の差なのかと思う。

現代を生きる彼女らはそれ程までに茫漠とした荒れ野を
さすらっているのかと。

[2011年4月25日 13時13分]

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