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「ムーン・ロスト」1巻 |
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「ムーン・ロスト」2巻 |
素晴らしかった。
木星から衛星を分捕るとは、またえげつないことを考える。
昔、誰のアイデアか忘れたが、十分な技術力を持った文明なら、いずれ全ての惑星の
軌道を制御して、人間の都合にあわせた配置に直すようになるだろう、というのを
読んだ気がする。カール・セーガンだったか。それを思い出した。
多分、そうなるだろう。
あとがきにあったフロスト教授の述懐も泣けたが、頭からスパイと疑われていた
船長の志願した動機、「NASAの誇りは失われてしまった。」には思わずグッときた。
かつての月で、あり得ない偶然を目の当たりにした時、
「今自分が成さねばならないことは、こんな事ではない。断じてない。」と動揺する。
といって祖国を裏切るようなマネは出来ない、この苦渋、この苦衷。
今もNASAには、明日のスターフリートの礎はここにあると信じて疑わない青年たちが
続々と集まってくるという。合衆国の財産ではないか。
かの船長のような苦しみを与えないでもらいたいものだ。
氷解したエウロパの海には殺人的な紫外線が、それこそ矢のように降り注ぐと思うのだけど
エウロパ人はノンマルトのように海底の奥底で暮らすのでありましょうか。
感謝されるとは考えにくいなぁ。
[2004年8月21日 16時7分24秒]