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「もやしもん」8巻 |
第七巻で日本の発酵食品の話になったので、そのまま日本酒編に突入かと
思われましたが、またしても番外編っぽく地ビール、エール編となりました。
渡航経験があって、異文化との接触に慣れた武藤が、ナンボ地ビールが
嫌いやからといって、ビールを売りにきただけの加納さんにああもからむやろうか、
という疑問はさておき、その自分の至らなさから十月祭を企画するくだりは
春祭を彷彿とさせて楽しい。
周囲の理解が足りないと嘯く奴に理解させる努力が足らんと非難した人物に
そもそも理解しようとしていなかった自分を発見させるという、二転三転の
パラダイムシフト。
ひょっとしたらそれは作者本人がたどった道筋なのかも知れませんが、加納さん
に対する感情移入から、自分の無理解を悟るシーンはなかなか宗教的。
企画を乗っ取られた格好なのに「長距離を移動してきた奴にウチのエールが
負けるかい!」と自分らのやってきたことを微塵も疑わない畜産科の大将が
格好いい。
次巻予告で終わるみたいなことを書いとるけど、単行本の予告が
その通りやった試しのない漫画やし。楽しみに待つとしよう。
[2009年8月23日 9時22分]