記事タイトル:「愛しのかな」読了する。 


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お名前: ななかん   
「愛しのかな」3巻
「愛しのかな」3巻

やっぱり一巻以降は蛇足だ。 多分田中さんの中ではかなが死んだ理由や彼女の背景についても、
考えられてはいたのだろう。
ただそれは陰惨で後ろ向きで救いようの無い話で。
故にかなは自分の心臓を包丁で切り裂いてしまって。
夜に死ぬのは嫌だったから、一杯の夕日の中で。

でも生きていた頃の事を覚えていないかなにとって
それはもうどうでもいいことで。

死んだ人間に説教されて死にそうだった人間が生きる希望を見いだす。
そんな話だけだったらこんなリアルな描写は必要ない。
もっと頭身の低いまんがっぽいキャラで、幽霊とか怪物が普通に
居るものと描けば事足りる。

だから本当はかなを死に至らしめた事情について怒りを持った
告発が行われるべきなのだろうけれど、当事者がふたりとも
「もういいや。誰かを罵ったり恨んだりするのは」と思っているのなら
あえて筋を通すまでもないと。

でもやっぱりその恐るべき悪意もしっかり描くべきなのではないかな、
「愛人」でばらまかれたウィルスの様に。

やっぱり要らんかのう。

[2009年10月30日 8時15分]

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