記事タイトル:「太陽」を鑑賞する。 |
ソクーロフ監督の昭和天皇の映画。
退屈な映画だった。およそ映画的な盛り上がりは一切ない。
舞台劇ならもっと集中できたのではなかろうか。
イッセー尾形さんのいつもの一人芝居みたいに。
カメラそのものも吹上御所からほとんど動かないし。
主要な人物も数人しか居ないし。
良子皇后(なんと桃井かおりさん)が疎開先から戻って来ての
やりとりでようやく物事が動きそうになるのに…。
きっと岡本喜八監督の「日本の一番長い日」とか何度も
観てたのであろうな。
ソクーロフさんの天皇に対する視線は、とても柔らかいが、さりとて
今この映画を作った意味というのはよくわからんな。
多分、天皇がロシアにおけるツアーリやアジアの他の王権とは
いささか立場が違うという内実に気付いてなかったのではないかな。
わたしなら、ラストシーンは大阪万博で終わる。
おそらく昭和天皇にとっても、あの開会式は生涯のうちでも
最も救われた一日だと思うから。
[2007年4月14日 21時49分4秒]