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「きみとぼくの壊れた世界」 |
西尾維新、という名前をよく見かけるなぁと思ったのは去年のこと。
「戯言シリーズ」という小説の作者らしい。
NISIOISIN。
すでに戯言である。
そんな矢先、都合良く単行本の発刊である。
なんか表紙が目を引く。なんと、TAGROさんのイラストではないか。
ひょっとしてノイローゼくさい話?
内容については書かない。これはジュブナイルでもあるが、ミステリでもあるので、
ささいなネタばらしも読後感をそぐ。
ただ云える事は、このあたりの若い人が如何に不毛で過酷な体験しか
なし得ていないのか、という点である。
どのような砂漠にも芽は吹くものである。
共通の不毛感を抱く同時代人の共感が人気の理由なのだろうか。
上遠野浩平さんの「どおしようもなさ」に通じるものがあるが、
この人は小説を書いてなければ、おそらく廃人になるだろう、
ぐらいに危ない。
あまりに真摯である。
もっと楽に生きようよ、みんな。
バムの要塞が崩れたって、アレキサンドリアの図書館が炎上したって、
人間はこうやって、なんとかやってきたんだから。
安心の仕方がなんか間違ってるよ。
[2004年1月7日 22時14分53秒]