朋アリ、遠方ヨリ来ル。

ずいぶん辛そうな事をサラっと話してたが、その内の一つ。
仕事場に電話などかけた試しの無い下の娘が、
泣きながら電話して来たので、前後の状況から、とうとう
ヤッチマッタな、とピンときたそうだ。彼は席に戻ると、
「下の娘が泣いているからすぐに帰らないかん」と告げた。
いかんせん、彼は社長である。会議からトップが抜けると云うのだ。
最初はいつもの冗談と思った役員たちは、本気と判るとすぐ了承してくれたそうだ。
あきれてるのか、あきらめてるのかわからないが、本人は人徳と云っていた。

その昔、大友克洋さんが「AKIRA」で売り出していた頃、スタジオの事務は
その奥様が担当されていて、なんとか繋ぎを付けたかったどっかの編集部を相手に、
大友の処理能力を考えて断ろうとしていたところ、
「あんたでは話にならん。先生を出してくれ!」と怒鳴られたそうだ。
すると横で話を聞いていた大友さんは電話を取るなり、
「僕の妻を蔑ろにする様なあんたと仕事したくない!」と云って切ってしまったのだと。

当時大学生だった件の彼は、この話にいたく感動し、
「おれもこう云う大人になろう、ならないかん!」と云っていたのを思い出した。
斯く在りたいと願い、そう実践していたのだなぁ。
中身の善し悪しは別にして、彼の在り方に感銘を受けた。

問題がうまく片付くといいな。

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