「戦争は女の顔をしていない」2巻
単行本
著者:小梅けいと/原作:スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチ
出版:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
初版:2020年12月26日
購入:2020年12月26日
価格:1100円(税込)
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読了日:2020年12月27日
待望の2巻が発刊された。「死んだドイツ兵の骨が砕ける音が」「嬉しかった」「脚を吹き飛ばされた女の子が泣いてこう言うんだ」「これでやっと信用してもらえる」歳若く、娘と話している様に錯覚して証言した戦場のあれやこれやを推敲の段階で「党の英雄がこんな話をしたなどと世間に知れたら」と撤回してしまうとか、今回も重く悲惨な話が目白押しだ。人のスケールが戦争を大きく越える時、それは記憶されるとアレクシェーヴィチは語る。それには歩き、移動して、ひとつひとつ丹念に拾い集めないといけないのだと。人間は戦争よりずっと大きい。主題はこれか。
星★★★★★
心からの声を拾うのだ、というジャーナリストの態度に「自分のストーリーに沿った声を、だろ?」「日本の恥を探してる暇があったら中国、韓国の非道を問うべき!」「我々だって心からの声に従っている!」と本人は反論のつもりらしい自己弁護を訴える意見を聞くが、それこそまさにこう言う本が掘り起こしたい人間の人間らしさだろう。この本は主としてスラブ人のための本だが、その根っこは普遍的で、我らの奥底にも繋がっている。