「GODZILLA ゴジラ」を鑑賞する。

…これは「ゴジラ」と云うよりは「ゴジラの逆襲」なのでは…。
ゴジラの追っかけをしてるモナークと云う組織のことをもっと知りたい。
面白かったかと問われれば面白かったが、怪獣はパシフィック・リムの
方が怖かったかなぁ…。もうちょっと整理して欲しかったなぁ。

以下いささかネタバレ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かつてのエメリッヒ版と違い、唯物主義のアメリカを批判するのは
諧謔にあふれたフランス人ではなく、渡辺謙さん扮するその名も芹沢だ!
キリスト世界では神はヤハウェただ一柱だから、水爆でも死なない
生物界の頂点ゴジラを神とか王とか呼ぶのはおかしい気もするが、
ここでは太平洋艦隊の提督ですらそこに疑義を差し挟まない。
アメリカも大らかになったものである。

ゴジラ映画と云えば大活躍する日本の防衛軍だが、アメリカ映画である
今作で、そんなおいしいところは日本に持って行かせない。
モナークが秘密裏に接収した怪獣ムトーの逃走を理由に静岡を米軍が占拠。
日米安保はどうなっているのだろう。
怪獣ムトーのECMで虎の子の電子戦戦闘機が木の葉の様に落ち、
誘導ミサイルも使えず、長年の訓練で鍛えたプロフェッショナルが
あっさりと殺戮されていく快感。
一体この損耗を埋め戻すのに何年かかることか。
対ECM装備の原潜なら海中から狙えたんじゃないかなぁ?

怪獣と対峙する前線が壊滅するのは一作目からのお約束。
大怪獣に対する人間の無力感を否が応でも感じさせる。
初代では避難してゴジラの進軍をただ眺めるしかない市民と
燃える街を見てちくしょう!ちくしょう!と泣く少年のつぶやき。
今作ではムトーとゴジラがバトってる現場へ落下傘降下する
特殊部隊のちっぽけさが印象的でした。
どれほど無力であろうとも、
一歩でも前進する気概が、実にアメリカ的でいいな。

しかしもう少し話が整理出来ないものだろうか。
芹沢は被ばく三世らしいのにゴジラに心酔してて、話を引っ張ってくれない。
妻を亡くして真相追求に人生を賭す技師ブロディは中盤で死んじゃうし。

ガメラは守護神らしいので人間を意識してても構わないのだけど、
ゴジラには都市とか人間の営みとかまったく意に介さない傲岸さが欲しい。
ゴジラが他の怪獣を目の敵にするのはただ単に目障りだから!

なるほどアメリカとは相性悪そうだ。


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