「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」を鑑賞する。

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「機動戦士ガンダム:ククルス・ドアンの島」パンフ
「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」
配給:松竹
制作:サンライズ
原作:矢立筆/富野由悠季
脚本:根元歳三
監督:安彦良和
2022年6月3日封切り

TVシリーズの一エピソードでしかなかった本作が二時間の長編映画に!
漫画版ガンダムの「THE ORIGIN」では描かれなかったエピソードのひとつだ。なんで「時間よ、とまれ」でなくコッチなのかはよくわからないが、安彦さんの心残りではあったのだろう。TV版は正直その場凌ぎの作画と取ってつけた様なモラル話の印象しかなかったが、改めて見直すと脚本がよく出来てる。たった20分程の本編ゆえにズバっと切り込んでる部分が映画ではディテール豊かになった分、曖昧さが増してボンヤリした印象だ。しかも映画用サービスで追加された背景が大事になってしまって、ORIGIN版の展開にも水を差してしまってる。とはいえ、久々に見る安彦ガンダムの圧倒的な説得力は往年のファンにとってホームへ帰ったかの様な安心感だ。キャストも物故されてかなり入れ替わっているが声質の似ている人を当てているのか、あまり違和感なく見れる。そしてアムロを回収してベルファストへ向かうホワイトベースの美しい姿よ。まさにペガサス。確かジャブローにはこのペガサス級の二番艦も居ったはずだけど、シリーズには登場せず、Zでは母艦がアーガマになってしまうので、こんなシルエットを持つ戦艦はこれで終わってしまうのだ。このホワイトベースがア・バオア・クーに擱座する姿が見たい。さぞかし泣ける。ありがとう、ホワイトベース。懐かしさで震える映画でした。


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「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」を鑑賞する。

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「閃光のハサウェイ」パンフ
「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」
配給:松竹
制作:サンライズ
原作:富野由悠季
脚本:むとうやすゆき
監督:村瀬修功
2021年6月11日封切り

長らくの映画館いじめがこの6月から解除されたので開巻1番に拝見してきました。
なんか時間が短い…。原作を読んでないのでこの話のボリュームがわからないが、これでは顔見せぐらいで終わるのでは…と思ってたら三部作の一作目なのね。村瀬修功(虐殺器官)・渡辺信一郎(カウボーイビバップ 天国の扉)ペアのリアルな描写に目を見張る。本当にこういう機動兵器が日常にあるかの様な自然さだった。

話はアクシズ落下作戦から十数年後「逆襲のシャア」の直近にあたる。月から地球へ向かう高級シャトルにハサウェイ・ノアは乗っていた。降下中に軍人らしいケネスや不思議ちゃんモデルっぽいギギと知り合うが、マフティを名乗るテロリスト集団にハイジャックされてしまう。マフティの主張は全人類の宇宙移民だったが、このテロリストたちはどうも身代金が目的らしい。ギギの心の声を聞いた気がしたハサウェイは制圧に立ち上がる。
村瀬作品としては非常に観やすく、親切な展開だったが、なんかこう外連味というか、えー!みたいな驚きは足りなかったかな。市街地を盾に逃げようとするマフティのモビルスーツに対して遠慮会釈なくミサイルを放つ連邦軍の描写、トミノ作品では空襲と合わせて定番の戦闘描写だけども、「司令官が変わっただけでこの違い」というセリフによって軍にもテロリストにも戦闘を拡大することに忌避があることが知れてしまう。しかも軍にその一歩を踏み込ませたのは要人暗殺を手段とするマフティなのだ。アムロもシャアも居なくなった世界で正義と信ずるハサウェイを止められるのは、ケネス率いるキルケー部隊か、ニュータイプの覚醒か。
ロンド・ベルに居場所がない理由とか、クエス・パラヤは話しかけてこないのか、は次作以降に出るのかなー。

丁度Z三部作をTVで観たばかりだったので、面白かった。隔世の感がありました。


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