「思い出のマーニー」を鑑賞する。

「思い出のマーニー」パンフ
「思い出のマーニー」
月末にはゴジラが公開されると云うのでその前に観てきました。
ホラー映画なの?といささか怖い想像を致してましたが、昔
NHKでやってた少年ジュブナイルシリーズが好きな人にはワクワク
だったんじゃないかな。

以下ネタバレ在り。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
米林監督は二作目も実に細かい演出でプレッシャーを感じさせませんでした。
すでにベテランの風格です。ミステリでもいけるんじゃないかな。

が、やはり脚本が今ひとつ弱い…。

事実の開陳から行方不明の孫の行く末を描いたタイミングは見事でしたが、
どうもその幻想を描くにあたり、入り江の村の現実感が足りない。
と思うのはやはり村人と杏奈の関係性、とくに村の子供達、チームリーダー
信子との対立が通り一遍だったから。何度も行き倒れてる杏奈の素行を見て
なんとも思わない大岩夫妻は理解があると云うより呑気なだけにしか思えない。
札幌での孤独感がこの村でも再現される恐怖、何よりそれが自分自身の態度の
結果だと弁えている杏奈のどんづまり感がしっかり出て来ないと湿地での幻想が
救いに繋がって来ない。
…そこは了解してるから村での描写が細かいのだろうけど、なんか現実感に
成長しないんですよ。久子さんとかいらなかったんじゃないかな…。

謎の廃屋で出会った不思議な少女、幻想だ、想像の産物だ、と思いながら
重ねる逢瀬。
信頼する友の裏切りと和解。
あそこはやはり事前に信子との和解を入れて欲しかった。
信子なら怒りながら許してくれたろう。
あのデカい顔で腕組みしながら「許す!」と。
そう宣言する姿を描いていてくれたら、
杏奈がマーニーに与える許しにも説得力が出てくる。
誰よりも大切な友だ。裏切りに怒りながら仁王立ちで許せたろう。

独りだと思ってた、みんなわたしを置いて行くと。
でもそうじゃなかった。
怒ってくれる人、心配してくれる人、愛してくれる人に包まれてた。
それが事実の開陳で一挙に一本に繋がる感動!
それは悟りを得たかの様な心境だったろう!

あと一歩が足らなかった。
まぁわたしが読み取れなかっただけかも知れないと云う不安は置いといて。


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