「戦争は女の顔をしていない」5巻
単行本
著者:小梅けいと/原作:スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチ
出版:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
初版:2024年8月16日
購入:2024年8月10日
価格:1210円(税込)
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読了日:2024年8月25日
血塗れで凍傷に覆われていても、女たちは美しさに見惚れてしまう。娘盛りを戦争で失うつらさ。「男の兵隊は足を失くしても英雄と持て囃されるけど、女は不具になったら全てが終わってしまう」赤軍は兵隊であれ、女は捨てろと言う。でも血塗れの肉片となって野良に打ち捨てられるのは真っ平だ。美しくありたい、かわいい自分でありたい。寝る間も惜しんでたどり着いたベルリン、議事堂の壁にこう書いた。「戦争を殺しにここまで来た」と。戦死者への弔い。埋葬といっても戦時に墓地まで運べない。どこか知らないツンドラの冷たい土の中へ葬られる兵隊たち。ここに来られない君らの母親の分までわたしが泣いてやろう。せめて泣いてやろう。
星★★★★★