記事タイトル:戦艦「三笠」に乗艦する。 


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お名前: ななかん   
遅ればせながら、横須賀港は三笠公園の連合艦隊旗艦「三笠」を見学に行った。

横須賀軍港はイージス艦だの潜水艦やのが当たり前のように停泊していて、まず
そっからすでに異次元。アメリカ海軍の基地など艦隊要員のための施設が充実していて
本当にそこは見るからにアメリカだった。で、入り口に日本警察が張り付いている。
テロに対する警戒であろうか。李下に冠を正さないようにして避ける。

三笠は一見小さかった。概念では大和の大きさを戦艦のイメージとしてとらえていたためか。
写真撮影御免だったので撮り放題。
艦の横っ腹から突き出す砲塔と、乗艦してまともにながめる30サンチ主砲塔のデカさにあきれ、
戦艦なのだな、と納得する。巨大砲塔で、戦艦同士が殴り合いの戦いに雌雄を決していた時代。
水兵が暮らしていたとおぼしき第三甲板や、機関室の中までは入れなかったが、意外に広々と
した艦内で往時の用兵などにしばし感慨。

ここに来るまで知らなかったが、三笠は国産の戦艦ではなかったらしい。
英国に発注して買い取ったのだと。だから、三笠の生まれ故郷はイギリスの建艦厰なのだ。
第二次大戦終結の折、GHQの命令でマストや砲塔を全てはぎとられ、無惨にも水族館として
公開されていた三笠の成れの果てを、三笠が現存して居ると聞いたイギリス海軍の提督だか
将軍だかが視察に訪れ、そのあまりな扱いに復興を呼びかけたのが今の三笠の始まりなそうな。
そんな訳で、これは昭和になってから復元されたものなのね。

とはいえ、昔日の大戦艦、陸奥、長門、武蔵、大和が見る事も叶わぬことを思うと、レプリカとはいえ
こうやって見たり、触ったりできる三笠はまだ船としては幸せなものなのかも。世界に現存する
最古の鋼鉄戦艦らしいし、荒武者が畳の上で往生しているようなものだし。

末永く保管して、我々の父祖がどのような思いでこれを運用していたか、よく伝えてもらいたいものだ。

[2005年10月24日 23時41分26秒]

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