記事タイトル:世迷い言 


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お名前: ななかん   
例えば、どこの話とは申せませんが、携帯で漫画を配信
しよう、ネットで漫画を配信しよう、とどこの出版社も
そのインフラ作り、お金の取り方を研究されておられる
ようですが、基本的にそのコンテンツは使い回しが前提
です。出版では採算のとれない稀覯本ならいざ知らず、
現に今も何万部と売り抜け、あまつさえ総集編と称して
別刷りを売っているような優良コンテンツを、原稿から
ではなく、出版物からの取り込みで公開し、聴取料を
取る。眠っている資産の有効活用と云えば聞こえはいい
が、一枚のフンドシで二場所も三場所もとる、というのは
あたらみっともない。
最初こそインフラを事業として成立させる方便、として
キラーコンテンツの導入、と大義名分もあったかと思う
のですが、今では一粒で二度三度おいしい、事業としての
有用性のみが取り沙汰されているような気配です。
しかも、携帯やネットでの可読性をあげるために、原稿を
改変せよ、という。
それを漫画家にやらせるのではなく、作業の一環として
やれ、という。
コマを割ったり、足らない背景を書き足したり、提案した
当事者はコンテンツの質をあげるのは営業的な必要性だ、
と思っていらっしゃるようですが、そういうのは改良、では
なく改竄、というのです。
端的に云えば「モナ・リザ」に眉を書き足すようなものです。

努力の方向が間違っている。

携帯用コミックに描き下ろし、ネット用コミックに、その
見せ方に適した作品を上梓する、というのが本来の道では
ありませんか。

携帯漫画家というのが生まれなければならないのではない
でしょうか。

そういうことにこそ資本を使って頂きたい。

まぁ寝言ですが。

[2006年5月20日 9時31分27秒]

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