記事タイトル:新おわりのあとさき 


下欄へ  
お名前: ななかん   
「あなたたちは宝」タイムカプセルからじいちゃんの手紙

8年前に大分市の野津原東部小(当時は野津原町立東部小)を卒業した新成人が、
校庭に埋めたタイムカプセルを掘り起こした。教科書や習字作品に交じり、子どもたちと
親しくし、カプセルを作った佐藤昌史さん(享年75)からの未開封の手紙が入っていた。

当時の6年生は22人。佐藤さんとの交流が始まったのは2001年10月だった。
運動会への招待状を校区内のお年寄りに送ったら、体調の悪い佐藤さんから「行けなくてごめんね」と
丁寧な返事が来た。後日、運動会のビデオテープを持って訪ね、リコーダー演奏などを披露した。

佐藤さんは農業の傍ら、管工事業も営んでいた。カプセルは、子どもたちの希望を耳にして
丈夫な樹脂で作った。それから2年余り。04年6月にがんで亡くなった。

手紙は「成人式を心よりお祝い申し上げます」で始まり、「多くのことをばあさんと一緒に
教えてもらい、言葉で表せないほどうれしかった」と感謝。「今日の晴れ姿を拝見し一緒に開封したかったが、
病弱な私は思いもむなしくこの世にはいないと思います」とも書かれていた。この頃すでに佐藤さんは
がんであることを告げられていた。

カプセルを埋めたのは02年3月。「世界貿易ビルが爆破された思い出から8年。
カプセル開封時の日本は、世界は、どういう状況でしょうか。世界平和と日本の発展のため、
一人一人が絆(きずな)を大切にしながら頑張ってください。あなたたちは日本の宝です」


成人の日を前に、9日の開封式に集まった卒業生は13人。佐藤さんからの思わぬメッセージに
涙を流した。大学2年の三ケ尻宏太さん(20)は「じいちゃんがこの場にいないのが、本当に寂しい」。
手紙を読み上げた当時担任教諭の水島陽子さん(44)は「いろんな人から愛情をもらいながら
生きていることを忘れないで。つらいことがあったらこれを読み返してください」と語った。

そばでじっと聞いていた佐藤さんの妻ミチ子さん(77)は「主人が生きていたらどんなに喜ぶか。
手紙まで入っていたなんて、まるでじいちゃん自身のカプセルみたいだね」と話した。(原篤司)

2010年1月10日22時3分

どうにも気障でいけねェや。…ばかやろう。

[2010年1月11日 8時35分]

記事一覧に戻る