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「狼と香辛料」1巻 |
メディアワークス刊、電撃(マ)王とかで連載中らしい。
原作:支倉凍砂さん、漫画:小梅けいとさん。
元は電撃文庫の小説が評判でアニメ化され、メディアミックスで漫画版を描かれたらしい。
今回購入したのはその漫画版。
面白かった。
アニメ版は第一話を観た限りではまったく入り込めず、主人公ロレンスなどただ斜に構えた
いやらしい人にしか見えなかったのだけど、この漫画版はなんか冒頭のホロの述懐から
スルッと入り込めた。ロレンスも経験を積んだ行商人にちゃんと見える。
エピソードの並びなどアニメ版とそう差はないのに、なんだろう?この呑み込みの良さは。
多分小説の面白さがストレートに伝わるのはこっちの方なのではなかろうか。
ホロがパスロエ村を去るにあたって、もう人間が賢狼の守りを必要としていない事を
憤慨しているのがいい。
人が未開の暗闇から抜け出し、知恵を付けて行くのは正しいことだけど、その事と恩を忘れるのは
別の話だ。神々はもっと人間を呪詛してもいいと思う。
そして抜け目のない商人同士が腹のさぐりあいをしている感がちゃんとある。
この辺の機微がちゃんと描けないとロレンスら商人が単に相手の裏をひっかく嫌な奴にしか見えないのだ。
人が神を必要としなくなるのは人間が人間の事を考え始めた証拠、世界と自分を客観視できるように
なった証だ。
でもここには人と話をする神が出てくる。
早く続きが読みたいものだ。
[2008年3月31日 0時5分59秒]