記事タイトル:「禁涙境事件」を読了する。 


下欄へ  
お名前: ななかん   
「禁涙境事件」
「禁涙境事件」

架空の世界の突飛な境遇で暮らす人々の描写の方が、現代の延長線上である
「ブギーポップ」シリーズよりも地に足が着いているとゆう、逆説的な
ミステリである。
他の可能性実験室とは違い、この世界は奥行きが深そうなので封鎖された
地球そのものの世界ではないか、と思へ。
前作の「海賊島事件」よりはいささか小振りな今作だが、まるで西部劇のように
構築された舞台で、毎日をけなげに生活する市井の人々の祈りが美しい。
禁涙境に鳴り響く鐘の音はまるでお寺の梵鐘のようだ。

上遠野さんは年々センチメンタルになっていくな。

[2005年1月22日 23時58分30秒]

「上遠野浩平作品」関連記事

小説記事一覧に戻る
記事一覧に戻る