記事タイトル:「邪魅の雫」を読了する。 |
「邪魅の雫」 京極さんのひさびさの新刊。そう云えば「狂骨の夢」がハードカバーで再刊されていて、
[2006年10月14日 9時32分34秒]
帯に書き直しの宣伝。にゃんと。
文庫化の際に書き足したに留まらず、書き直しとな。
そんなに気に入らなんだのかのう。
面白かった。
ただこういうミステリを楽しむには自分が歳を取ったような気はした。
老けただけの子供がわんさと出てくるのは、最近のジュブナイルでも おなじみの光景だけども京極さんのはむしろ確信犯。
昭和のあの頃、というよりはやはり現代の話をしているような。
大鷹や江藤や西田の「世界」の狭さ加減は見た来たようで気色悪い。
「ひぐらしのなく頃」と方向性は近いような気もする。
コミックリュウで「ルウガルー」のコミカライズがあったけれど、
作者が本編をまったく汲み取れていないような齟齬感も、まぁ云うなれば
世界の広さの問題か。
実は「デスノート」の根源もそこですわね。
ここで堂島あたりだったら、人間は無限に広いとかまた邪な妄言を吹き込むところ
ですが、なかなか表には出てきませんなー。