記事タイトル:存外にシンプルな起源 


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お名前: ななかん   
<生命>星の材料からアミノ酸のもと

 星の材料を再現した氷状の混合物に宇宙を飛び交うのと同じ高エネルギーの放射線を当て、
アミノ酸のもとになる複雑な有機物を作り出すことに小林憲正・横浜国立大教授(分析化学)ら
の研究グループが成功した。アミノ酸は生命活動を支えるたんぱく質を構成する物質で、
生命の素材が宇宙で作られたとするシナリオを裏付ける成果だ。千葉市で開催中の日本地球惑星
科学連合大会で17日に発表する。
 研究グループは、宇宙で星が形成される場となる暗黒星雲を構成するメタノール、アンモニア、
水の混合物を液体窒素で氷点下約200度に凍らせた。暗黒星雲は同約260度と極低温のため、
その状態に近づけた。
 放射線医学総合研究所(千葉市)で、この氷状物質に高エネルギーの放射線を照射すると、
数時間で有機物が生じた。有機物の分子はアミノ酸の約20倍の重さがあり、水に溶かすと
数種類のアミノ酸ができた。この有機物は熱や放射線に強く、アミノ酸が単独で存在するより
壊れにくいことも分かった。
 地球の生命は約38億年前に海で誕生した。従来は、紫外線や雷などの作用で大気から
生じたアミノ酸などが生命の素材になったとされていたが、最近は、原始大気はアミノ酸が
生じにくい組成だったとする研究も多い。
 研究グループは、宇宙空間で生成された有機物がいん石やすい星に取り込まれて地球に運ばれ、
海で進化して生命が誕生したというシナリオを提案している。
 実際に、いん石やすい星からは複雑な有機物が見つかっており、小林教授は「宇宙で生成される
有機物の具体的なイメージが初めてつかめ、地球外で生命の素材が作られたことを示すことができた」
と話している。【須田桃子】

(毎日新聞) - 5月17日3時5分更新


そんな事でアミノ酸が…。
昔、原始地球の海を再現した球体の中でアミノ酸を生成する実験をみたが、
そこから先は行き詰まっていたのだね。
こうなると無機物と有機物なんて区分けも考え直す必要があるね。

[2006年5月18日 9時29分45秒]

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