また、やくたいのないこと。

たいしたひねりもなく、ただ堂々と「大変なこと」の顛末を描ききった。
あと15分ほどあれば、大いに感動したことだろう。好きなテーマだけに注文も多くなる。
これが「ナデシコ２」などでなくて良かった。

「大変なこと」が三段構えになっているところがひねりではあると思うのだけど、
セカンドウェーブがそそくさとご到着されるところで、三発目がなにかあるなと
予想はつくのだから、戦争の一石を投じた以上はその辺のねじれ具合を物語的に
解決してほしかった。反動勢力がものわかりよすぎ。13歳にだまされてはいかん。

重力や質量が何の役にも立たない、未曾有の天災に対処した点は出来のいい
「さよならジュピター」のようだった。
ファウンデーションを惜しげもなく放り込む、やけくそな作戦もよかった。

思えば恐竜たちにもう少しの時間的余裕が与えられていれば、ジャイアントインパクトにも
なんらかの抵抗ができたかもしれない訳だ。
歴史の長さでは彼らに及ぶべくもないが、その分人類のベクトルは回転が速い。
これは誇っても良い特徴である、と思う。

衛星軌道上の天体望遠鏡だの、火星有人探査だのは私らの生まれた頃ですら、
机上のアイデアでしかなかったのにね。

核爆弾だの強制収容所だのは、思いついたら即実行してるわけだし、その勢いを
宇宙開発に注いでもらいたいものだ。

[2004年2月8日 23時28分18秒]

そのとおり、ですね。
先週のプラネテスでもありましたが、（ネタばらしになるので詳しくは書きませんが）
第2次世界大戦末期、イギリスを恐怖に陥れたＶ２ロケットの開発者、
「フォンブラウン博士」はこの大陸間弾道ミサイルに成功したとき、
側近が「これで宇宙ロケットが完成した。」と感想を述べたそうな。
そして、後にアポロで月に人類を運ぶことになる訳です。
「プラネテス」ではそんな、冷たい現実と選択を描こうとしています。

[2004年2月12日 11時22分25秒]

ああ、プラネテス拝見いたしました。リストラとか窓際管理職は不要な
気もしましたが、王立宇宙軍と思えば何とか。

今のところ生活感があるのと、生活臭がするのとでは違うのではないかとしか…。

ヴェルナー・フォン・ブラウン博士は16歳でドイツ宇宙協会に入会し、ツィオルコフスキーの
「地球の外」を読んで感動するような、筋金入りの「星屑」です。
その研究目的は最初から月へ人間を送ることであり、この点では先輩のロバート・ゴダートや
ライバルのセルゲーイ・コロリョフとなんら遜色ありません。

ゴダートやブラウンが軍に協力的だったのは、ひとえに研究資金が潤沢だったからであり、
その意味では魂を売っている、と批判されても仕方ないかもしれませんが、聞いた限りでは
ヒトラーのためにV号ロケットを開発したことについて、ブラウン博士は弁解めいた発言が
一切なかったそうですので、人道的非難は覚悟の上だったのではないでしょうか。

ベルリンがソ連軍によって陥落すると、さっさとペーネミュンデをひきはらって、米軍に
投降するし。ゲルマンの血はたぎらんのかと問いたいが、まぁナチスドイツぢゃぁな。
誇り高きドイッツェン・ゾルダートは曹長あがりの小男を認めてはくれんのですよ。

[2004年2月13日 1時10分46秒]

失敬。フォンブラウンはサターンロケットでした。
すいません。
ネタばらしになるので、詳しく書けませんが（こればっか）
「プラネテス」では、
リストラ、窓際、サラリーマン川柳流用疑惑（古っ！）は重要なファクターになるのです。
後々、展開して微妙に絡み合ってきますので・・・。
徹底的に個人レベルから政府や国や連合や戦争を語ろうとしているようです。
ただ、「O立宇宙軍」とは似て否なるものでしょうか。
最近「ハチマキ」は「シロツグ」に似てきましたがどう答えを出すのか楽しみです。
あ、原作は先に読まないように！がっかりします（笑）

[2004年2月17日 12時33分13秒]

オネアミスの翼がライトスタッフではないように、プラネテスと王立が似ているとは思いません。
遠い空の向こうにとなつのロケットは似たような話ですが、中身は全然違います。
同じ作者ですが、アイアンジャイアントのほうがずっとなつのロケットに近いと思います。
いちごとブルーベリーは似ていますが、私はいちごのほうが好きです。
ブルーベリーにはブルーベリーのよさがある、ということは理解できます。

[2004年2月17日 22時49分52秒]