筋道のアポロン

 

今に始まった事ではありませんが、少し人里を離れた山を
歩くとゴミが積もっているところがあります。
空き缶やペットボトルは云うに及ばず、雑誌、冷蔵庫、テレビ、
単車、古タイヤ、果ては瓦礫、自動車、ブルドーザーなど。
処分するのに費用がかかるようなものを人知れず投棄しようと
云う愚か者の所行であります。

それが見るに耐えなくて、あなたがゴミ拾いをしてると
しましょう。
あなたがせっせとゴミを片付けていると、したり顔で
古タイヤを持ってくる者が居ります。
違法投棄するつもりだったものを、ひとが居るので
まかしてしまおうとの魂胆でしょう。

どうするか。

あなたは怒る。それは筋が違う。持って帰れと。
そいつは親切をなじられた様な顔をして引き下がるでしょう。
でも後で見ると離れた所に投棄してある。

片付けようとしているあなたを見て、任せようとしただけ
そいつはましだったのかも知れません。
他の者はあなたの姿を見かけると別の場所に遺棄している。

どうすればよかったのか。
「ありがとう。そこへ置いといて。」
引き取ってしまえば取りに行かなくて済む。

若く、曲がった事が嫌いなあなたは、こんなゴミを捨てる様なクズは
皆殺しにしてしまえば、この国はもっと良くなるのに、と思うでしょう?

でもいかんせん、この人達は、山の中にゴミを捨てるのを悪い事だなどとは
微塵も思ってない。そんなことで殺されるのは理不尽に感じるでしょう。
山の中にゴミを見て不愉快に思うのがそもそもお前の勝手なのだと。

実はその通りなのです。
この話のあなたは、誰に頼まれた訳でなく、己の不快を癒したいが為に
ゴミ拾いをしている。
そして仮にこの人達を超常の業をもって、殺せたとして、
おそらく捨てにくる人間は減りはしない。
それは別の時間の年老いたあなたかもしれないのです。

おかしい、と思いますか?こんな話。
でも、わたしはこう発言する事にはためらいません。

「山の中にゴミを捨てるのはお止めなさい。」

と。

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