記事タイトル:降格人事 


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お名前: ななかん   
冥王星が発見以来七十六年して、惑星の冠をはずされてしまった。
聞けばアメリカの天文学者(クライド・トンボー)が発見した
唯一の惑星として、太陽系の列に残したいとの感傷的意見が
排された模様。
近年発見が相次いでいる第十番惑星群を惑星として認めるかどう
か動議されたのをきっかけに、惑星の定義が今回初めて決定され
たのを受けて、冥王星もその資格に欠けると判定された由。

惑星の定義
1.太陽の周りを公転するもの
2.充分な質量を持ち、重力平衡形状(ほぼ球形)であるもの
3.その軌道領域において他の天体を掃き散らして支配的であるもの

実際、冥王星を惑星として残そうとするセクトは冥王星衛星の
カロンや小惑星セレスすら惑星と呼ぶべきだ、との意見を提案して
おり、あまりの専横に国際天文学連合では非難轟々、今回の決定へ
と落ち着いた。
なおこれらの準惑星系は矮惑星という新しいカテゴリに分けると
された。

矮惑星の定義。
1.太陽をめぐる軌道上を周回している。
2.自身の重力によって重力平衡形状(ほぼ球状)を保つ質量がある。
3.その軌道領域に他の天体が存在している(他の天体を掃き散らしていない)。
4.惑星、矮惑星、などの天体の衛星ではない。

海王星に対して、一個の惑星であるかのような摂動を及ぼしている、
ヘッジワース・カイパーベルト上の天体をまとめて、「冥王星族」と
呼ぼう、と先のセクトはなんとかプルートウの特殊性を認めさせたかった
ようだが、これも否決されたようだ。

ただアメリカの天文学会はIAUの決定に従うとのことで、近頃のアメリキに
しては珍しい理性的判断と評価したい。
IAUを脱退するとか、別の天文学的問題でこれの変わりに譲歩を強要、
とかしないかぎり、理性が感情を制御した良い例として歴史に残ると思う。

正眼で見ようと、すがめで見ようと、事実は事実だからね。
宇宙では何が起こるかわからないけれども、事象の地平の中で見えている事
というのは基本的にある種の法則に従っている、と考えざるを得ないのだから。

[2006年8月26日 10時18分47秒]

お名前: ななかん   
米国の有力な惑星科学者、アラン・スターン博士が「明らかな間違い」と強く批判した。
(読売新聞) - 9月2日13時3分更新

このスターンちゅうのが何者か書いてないけど、IAUの定義は言語学的にも間違っていると
文句をたれとるそうだ。
さすがアメリキ人は僕らの期待を裏切らないぜッ!
そこにムカツク、腹が立つゥ!

[2006年9月2日 13時11分32秒]

お名前: ななかん   
米航空宇宙局(NASA)で冥王星探査機「ニューホライズンズ」の
責任者を務めるアラン・スターン博士
(毎日新聞) - 9月2日13時51分更新

だそうで。
去年打ち上げたばっかりの冥王星探査機にケチがついたのが頭にきたらしい。
七人で作った定義が四百人に否定され、四百人で認めた定義を千人が否定する、と。
この場合、最初の七人の中にどの程度の割でアメリキ人がおったのかが知りたいね。
どうもウェブスターではグローバルスタンダードというのはアメリカンの同義語らしいからな。

[2006年9月2日 15時43分32秒]

お名前: ななかん   
ミャンマーの占星術師協会がスターン博士を援護してくれている。
「冥王星は我が占星術では重要な惑星で、それは伝統的なものだ。
 IAUがどのような決定を下そうと、その地位は変わらない。」

たかだか七十余年ぽっちで伝統もないもんだ、とかのツッコミは無い方向で。
ありがたいことだねぇ。お歳暮くらい送りなさいよ、アラン。

考えてみれば靖国も明治神宮もせいぜい百年ぐらいの歴史なのに、我が国の根幹とか
云われているようなものだな。
江戸時代にとある天皇は「鎖国は開闢以来の我が国の祖法だから、厳重に守るように」と
幕府にお達しを出して当時の幕閣を唖然とさせたとかいう逸話もある。

いかに知らないというのはしあわせなことか。 これからはこういうことを「愚か者の安寧」と呼ぶことにしよう。
[2006年9月6日 9時40分50秒]

お名前: ななかん   
先年、アメリキ人が発見し今回の降格騒動に発展した天体2003UB313が
この度、矮惑星エリスと命名。混沌と不和のギリシャ神らしい。

これが冥王星より大きかったのがそもそものケチのつきはじめ。

[2006年9月15日 9時36分53秒]

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