記事タイトル:「ゲド戦記」と「崖の上のポニョ」のこと |
地上波で放送されたのでようやくにして「ゲド戦記」を観る。
云われる程ひどい映画に思えなかったのはやはりスタッフが
優秀だからなんだろうなぁ。
名の知れた原画マンが任されて作った映画でヤッチャッタ程度の
おそまつさ。
なんとなく「アリーテ姫」と面影がだぶる。
宮崎悟郎さんに才能があるとは思えないが、真価を問われるのは
次作からだろう。
美術はすごく頑張ってたと思う。
ル・グィンはどう思ったのだろう。
「ゲド戦記」を観れたので安心して「崖の上のポニョ」を観に行く。
息子の処女作をボロクソに非難しただけのことはあるか。
冒頭の展開で意表をつかれた。
昔なら仲良くなったポニョが悪漢に攫われて、宗介が単身救いに向かう
活劇とあいなるところが、来てすぐに攫われた上に宗介が動かない。
どうなるのだろうと思っていると、ヒロインは自力で脱出し、本来悪漢が
もたらすはずの世界の危機を誘発して戻ってくる。
どう考えてもヤンデレ。
ポニョが主人公なら単なるストーカーです。
もうその後は例によってアイディアてんこもりで収拾がつかずに散漫に集束する。
DNAとか修正とか、色々考えたのはわかるけれど、その辺はズバっとカットして
宗介とポニョの視点に徹底したほうがすんなり終われたのと違うやろか?
それにしても見せつけられたのは才能の差というやつだ。
ジブリ版「ゲド戦記」は失礼だけど、どんな人でも努力すれば達しうるレベルだったと思う。
でも「崖の上のポニョ」は観た後に文句をつけるぐらいは出来ても、そのイマジネーションは
練習してどうこう出来る豊かさではない。
ああ駿さんがもっと若くして認められていれば、どれほどの傑作をモノされたことだろう。
さして感銘は覚えなかったけれど監督の力技を堪能出来た。
「今はね、忙しいから。後で。」
[2008年7月24日 7時44分27秒]