記事タイトル:「ロケットの夏」をクリアする。


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お名前: ななかん   
タイトルに嘘偽りのない良品。
というか、それ以上でもそれ以下でもないなー。
構造は「セパレイトブルー」と一緒で、自転車バカがロケット馬鹿に変わっただけ。
変化に乏しい(でも魅力的な)キャラクターと、インターフェースのこなれていない
(でも堅実な)ゲームプログラムでせっかくの物語をだいなしにしている。
音楽とストーリーが良いだけにいささかもったいない。

紺碧の成層圏が漆黒の宇宙に変わった時、暖かく湿った故郷、地球を想うのか。
手につかめるのでは、と思えるほどクッキリと輝く木星光に、「木星があんなに近い!」
とただはしゃげるそんな資質は、まさにライトスタッフでありシードを持つ者にしかず。
(ああそれなのに、その二人の人生に決定的影響を与えた西沢大佐の絵がないなんて…。)

微妙に位相の違う、各ヒロインの物語から静かにあぶりだされる「地球鎖国政策」の影。
「アメリカ熱」に侵されていく最愛のひと。
補給を受けられないアンドロイドの最後の望み。

これはブラッドベリじゃなくてフレデリック・ブラウンだったのだな。
何故にロケットの唄う歌は、少年の心をかくも揺さぶるのか。

[2003年8月10日 0時5分48秒]

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