「KANON」についで発表され、“Key”の名前を不動にした、と云われる
「Air」をクリアした。
いやはやもー泣けましたな。
例によってゲーム性は薄いし、濡れ場はとってつけたようでしたが、
（一カ所だけ納得のいくシーンがありましたが。）
シナリオが、キャラクターが涙をしぼる。
登場当初、ずいぶんイタイ人のように思えた「神尾美鈴」の試練にみちた
暑い夏が、これからBGMを聞くたびに甦ることだろう。

それにしても「美鈴」や「神奈備命」本人が救われるわけには
いかないのだろうか。
考えた末の結末、というよりは烏のエピソードから演繹した結果なのでは、
疑いたくなる。
殊に日ノ本を救う為、とは言え「神奈備命」にあんな呪詛を掛ける高野聖どもは
許しがたい。

そして何よりこのシナリオのヒロインは「神尾晴子」である。
このひとの希望や絶望にどれほど泣かされたことか。

なんかまとまりに欠けた展開ですが、説明されない部分は本筋には
さして関わらないことなので、よいのかなと。
これがSFなら、すべからく白日のもとにさらしてほしいところですが、
田舎の港町の一夏の風景で終わる、というのがこの作品の美的なところ
であるとも思えますので。

やはり優れた作品は時代をこえていくのかな、と。

[2005年9月14日 17時0分45秒]