いい映画だった。
多分ネタバレはない。
物事に真剣に打ち込んだ経験のある人なら
みんな泣けるんじゃないかな。
宮崎駿、スタジオジブリ九作目の映画。
黒川と云う、三菱で堀越の直属の上司になる人が、
堀越の斬新な設計概念を聞いて風を感じるシーンがある。
つまんない漫画や映画だとその気持ちを隠そうとするのだけど、
部長に「面白かったなー」と問われ「はいッ、感動しました!」と
素直に認める。
映画には全編にこの風と素直さがあふれている。
愛しい人が喀血して倒れたとの報を聞いて、汽車に飛び乗る堀越。
名古屋から代々木までだ。
当時だと半日以上かかったろう。
汽車の中でやり残しの構造計算を続ける堀越。
図面に雫が垂れる。
堀越は泣いているのだ。
だが計算の手は止まる事がない。
なんという一途。
なんという情熱か。
宮崎アニメの抱擁シーンはいつも情熱的なんだけど、
今回観ててふっと既視感を覚えたのが戦後のイタリア映画。
離ればなれの恋人達が骨も砕けよとばかりにヒシっと抱き合うイメージ。
またイタリアの航空技術者ジャンニ・カプロニがいい役で出てくるンだ。
良かったなぁ。
自民党が圧勝するなどの暗い世相を忘れさせて頂きました。
この順番で本当に良かった。
あとせっかく東宝なのだから「庵野秀明(新人)」は入れて欲しかった。
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