「アナと雪の女王2」を鑑賞する。

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「アナと雪の女王2」
「アナと雪の女王2」
配給:東宝/ウォルト・ディズニー・ジャパン
制作:ウォルト・ディズニー・アニメーション
原作:クリスチャン・アンデルセン「雪の女王」
脚本:ジェニファー・リー
監督:クリス・パック/ジェニファー・リー
2019年11月22日封切り

意外、と言ってはなんだけど、面白かった。
前作はヒトとはちょっと違う異能のエルサが、引きこもりの果てに魔物へと転落するのを妹アナの献身が救う社会復帰の物語だったけど、今作はその異能の因って来たる根本を探る自分探しの旅だ。
アレンデール王国の統治も早三年が過ぎ、政務も滞りなく行えるようになったエルサだが、その心には自分に呼びかけるものの声を聞いて昂ぶるものを感じていた。
ある時たまらず声に応えるとアレンデールの街を異変が襲う。フィヨルドの奥に、自分を呼ぶ者が居る…。国民を避難させて探検に出かけようとする姉を押し留められないと知ったアナは自分の同行を強要するのだった。
今回も歌といい、現れる精霊のイメージといい、素晴らしいイマジネーションで観客を北方の森林地帯へと誘ってくれる。自分らの亡き祖父ルナード国王とドルイドを思わせる北方の民ノーサルドラとの確執。森を覆う霧の壁。なんとなく「メリダとおそろしの森」を思わせるが脚本の完成度はこっちの方が上だ。
強いて言えば…コレはネタバレと言えるかも知れないが、状況が原作に近づいた気がして、いささかハッピーエンドぽくない感じがするかな。
いやでも素晴らしかった。


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「この世界のさらにいくつもの片隅に」を鑑賞する。

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「この世界のさらにいくつもの片隅に」
「この世界のさらにいくつもの片隅に」
配給:東京テアトル
制作:2019「この世界の片隅に」制作委員会
原作:こうの史代
脚本:片渕須直
監督:片渕須直
2019年12月20日封切り

前作「この世界の片隅に」では泣く泣く切ったという遊郭のリンさんのエピソードを復活させた「さらにいくつもの」を観て来ました。
そうそう、俺の知ってるすずさんはこういう人、みたいな印象です。ただおっとりしてるだけでない、どろどろとした情念を抱えて、それでも毎日を生きている。
六月二十二日の呉港爆撃の後でも八月六日の原爆地獄の後でも、八月十五日の終戦の詔の後でも、世界は終わったかに見えて情け容赦なく続いていく。前作ではこの辺がボンヤリしてていまひとつ乗れなかったけれど、今作は漫画版の印象にかなり近い。無くした右手のエンディングも今回は飲み込めた。出来ればすずさん幼少期の怪異な体験に説明がついてしまう後半部分とか、B-29が現れた事によって人類が初めて目にする成層圏の飛行機雲の解説なんかも盛り込んで欲しかったけど、現状で三時間に迫る大作に、劇場での回転を考えると限界かもしれん。
映画版ならではの衝撃的な空襲場面は良かった。あのリアリティ、腹に響く爆撃の轟音。米軍の爆撃機がギラッと光る描写は漫画版では望めない。対空砲弾の破片が農地をえぐる描写もいい。
ありがとうございました、片渕監督。面白かったです。


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「スター・ウォーズ 〜スカイウォーカーの夜明け〜」を鑑賞する。

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「STAR WARS the rise of skywalker」
「スター・ウォーズ 〜スカイウォーカーの夜明け〜」
配給:東宝/ディズニー/ルーカスフィルム
制作:BAD ROBOT PRODUCTIONS
原案:ジョージ・ルーカス
脚本:ジェフリー・ジェイコブ・エイブラムス/クリス・テリオ
監督:ジェフリー・ジェイコブ・エイブラムス
2019年12月20日封切り

「ライトセイバーは敬意をもって扱え」お前が言うかッ!

新シリーズ三作目行って参りました。
完結編。冒頭いきなりパルパティンの復活が字幕で語られる!
ようやくファーストオーダーを掌握したカイロ・レンには由々しき問題だ。
事の真相を確かめるべくシスの聖域と思われるエクセゴルに向かう。
そこで見たものは…。
しかしシスの人達は単独行動が好きだね。そんなだから足元を掬われるのだよ?

以下ネタバレあり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クレイトーからファルコンで脱出した反乱軍は新たな拠点を見出したが、戦況は芳しくない。もはや超光速航法ではファーストオーダーの追跡をかわせないのは明白。頼みの綱の共和国は右顧左眄して協力を得られない。そんな中、パルパティンが復活し、ファーストオーダーと共闘すべく大艦隊を編成しているとの情報が入る。パルパティンの居場所エクセゴルは歴史から忘れ去られたシスの聖域で、ルークもそこを探していたのだとレイは知る。その場所を示すウェイファインダーと言う機械が崩壊した第二デススターの司令室に残っていることを突き止めるが、その旅の途中でおぼろげな記憶がだんだん明確になってくる。「わたしはパルパティンを知っている?」
たどり着いた因縁のエンドアで、追ってきたレンにはっきりと言われてしまう。「パルパティンがお前を探しているぞ。お前は奴の孫娘だ。」がちょーん。
優しかった両親はレイがパルパティンのフォースを受け継いでいるのを知ると、鬼畜のような祖父から隠そうとジャクーに避難していたのだ。そして未来予知で帝国の玉座に座る禍々しい自分の姿を見てしまう。レイアの助太刀を得てレンを退けたレイだが、あまりの恐怖にオクトーへ引っ込んでしまうのだった…。

…いやぁ地縁血縁の色濃い星間大戦ですが、大事なのはソコではありません。
ルーカス印の123で不満だった因縁や運命に絡め取られる人間関係があってこその今作か、言えば済むことじゃん!まで踏襲するのはサービスなんかお約束なんか。
これから観に行かれる方は「ジェダイの帰還」を予習してから行くのが宜しかろう。
まぁそれがなくても十分だけども。
ちょっとエクセゴルで帝国の復活に尽力したシスの皆さんの涙ぐましい努力があっさり消し飛ぶ姿が気の毒でしたが、名も知れぬ遊牧民に名を問われて胸を張って答えるレイが清々しかったのでヨシとします。
面白かったです。ありがとうございました、J.J.エイブラムス。


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「スパイダーマン:スパイダーバース」を購入する。

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「スパイダーマン:スパイダーバース」
「スパイダーマン:スパイダーバース」
Blu-layDisc
原作:スタン・リー/スティーブ・ディッコ
脚本:フィル・ロード/ロドニー・ロスマン
監督:ボブ・ベルシケッティ/ピーター・ラムジー/ロドニー・ロスマン
販売:2019年8月7日
購入:2019年9月19日
価格:4600円(税込)


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「ONCE UPON A TIME IN…HOLLYWOOD」を鑑賞する。

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「ONCE UPON A TIME IN…HOLLYWOOD」
「ONCE UPON A TIME IN…HOLLYWOOD」
配給:東宝/SONY/コロンビア・ピクチャーズ
制作:HEYDAY FILMS
原作:クエンティン・タランティーノ
脚本:クエンティン・タランティーノ
監督:クエンティン・タランティーノ
2019年8月30日封切り

これはそういう映画だったのか…。
ワンスアポンアタイムは英語圏の説話の語り出しで、「スターウォーズ」のアロングタイムアゴウと同様の意味を持つ。日本語で言えば昔々あるところにとなる。舞台は60年代末のカリフォルニア、ほぼ半世紀前の昔語りだ。TVで人気が出て、映画俳優に進出しようとして目が出ず、忘れかけられている俳優リック・ダルトンとその相棒でスタント・ダブルのクリフ・ブース。落日の日々を焦燥の中で過ごす二人の横に現れるロマン・ポランスキーとシャロン・テート夫妻。カウントダウンの様に示される月日と日時。
シャロン・テート事件だ。
マンソン・ファミリーによる無差別殺人。
散漫に見えるのはタランティーノ脚本では普通のことだけど、この映画ではさらにとっちらかってる。これがシャロン・テート事件に繋がると分かるのは冒頭かなり過ぎてからだ。落ちぶれてるとは言えセレブな生活を送るリックと駐車場のキャンピングカーで暮らすクリフの貧富の差。同じ様に底辺生活なのに楽しそうにゴミ箱をあさるヒッピーたち。ラジオからはベトナムに侵攻した米軍の戦果が華々しく語られ、ハリウッドは夜ともなればケバケバしいネオンで彩られる。
正直退屈だった。タランティーノはCGを好まないらしく、60年代のハリウッドはわざわざ往来をそれ風に作り変えてロケをしたらしいけれど、美術は「ウォルト・ディズニーの約束」に遠く及ばない。人々の風貌も「アメリカン・グラフィティ」のソレを越えられない。ビジョンが足らない。こちらもその頃のハリウッドを知ってる訳ではないので、そこに住んでたタランティーノのビジョンの方が正しいのかもしれないが。
オッと思えたのはやはり脚本からで、クリフの生活描写だ。家は買えないが犬を飼っているクリフは底辺生活者だが、それを卑下していない。それどころか落ち目のリックを日々励まし、支えている。高慢ちきに描かれた売り出し中のブルース・リーにからまれた時も互角かそれ以上に渡り合う。タフガイだ。ハードボイルドだ。暴力を振るうことを躊躇わないが、頼りにもしない。
なんとなく気脈を通じたヒッピーのプシーキャットに連れられ、若かりし頃撮影でよく通ったスパーン牧場を訪れると、そこはヒッピーの根城に変わっていた。そいつらがいわゆるマンソン・ファミリーだった。牧場主のスパーン老人の安否を訝るクリフ。この不穏さ。よくここであの家に押し入るわな。ベトコンの潜む農家に押し入るのとは訳が違う。今はM-16もパイナップルも手元にはない。

この時のイザコザが後の事件に繋がるが、映画は驚くべき展開で終わる。「イングロリアスバスターズ」を観たひとにはまたか、だろうけれど。
コレ、ハッピーエンドなのかな。なんか怖い。一般受けはしそうにない。


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「この素晴らしき世界に祝福を!紅伝説」を鑑賞する。

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「この素晴らしき世界に祝福を!紅伝説」
「この素晴らしき世界に祝福を!紅伝説」
配給:松竹/KADOKAWA/映画このすば製作委員会
制作:J.C.STAFF
原作:暁なつめ/三嶋くろね
脚本:上江洲誠
監督:金崎貴臣
2019年8月30日封切り

映画の日である。映画ファンとしてはタランティーノ監督の新作を是非にも観ないといけないところだが、疲れているので「このすば!」を観てきた。この選択は間違ってないと思う。
TV版では何度も建前や綺麗事をかなぐり捨てた本気の殴り合いの中で、ほのかな友情を育ててきた本作。劇場版でも然りであった。
冒頭、いきなりクエストに失敗し、借金の重さと悪罵に耐えながら責任を擦り付け合うカズマさんチーム。そこへめぐみんの自称宿命のライバルゆんゆんが訪れてカズマに子作りをせがむ。上々のアホな滑り出しだ。聞けばめぐみんとゆんゆんの生まれ故郷、紅魔の里が魔王軍の襲来を受けていると言う。族長でもある父、ひろぽんの身を案じて故郷へ帰るゆんゆん。強い魔力を有する紅魔族が魔王軍ごときに遅れを取るわけがないと、強がるめぐみんを煽り立てその後を追うカズマさんチーム。そこで見たのは平原を埋め尽くす女オークの群だった…。
このネーミングからクエストの中身まで真面目に働いているのが馬鹿らしくなる脱力ぶりだが、この話の魅力はそんな世界でも市井の人々が事細やかに暮らしている姿だ。今回は紅魔の里で暮らしていためぐみんの前半生が描かれる。貧しいながらも二人の娘を愛を持って育ててきたひょいざぶろーとゆいゆい夫婦、カズマが自分らより数段上の金持ちと知るとめぐみんを生贄に差し出そうとする。それにまんまと乗っかるカズマ。美しい二段オチだ。そして魔王軍幹部のシルビアが魔力で勝る紅魔の里を襲う理由とは…。

以下にネタバレあり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅魔族が無力化された後に立ち向かえるのはゆんゆんとめぐみんだけになった。カズマの作戦に乗って対シルビア戦に臨もうとする時、その分の悪さにおびえるめぐみんをゆんゆんが励ます。「そんな無茶な作戦を立てられるのも、カズマさんがめぐみんの爆裂魔法を信じているからですよ。なのにめぐみんは自分の魔法を信じられないの?」爆裂魔法を極めるためにステータスを全フリしてきためぐみんだ。ここで奮い立たねば女がすたる!

…だが自分が満遍なく上級魔法を使える上位のウィザードなら、カズマを危険な目に合わさずに済んだという負い目から、ランクアップを申請するめぐみん。若い頃のロマンを捨てて大人になろうとするめぐみんにカズマが取った行動とは。…泣けた。面白かったです。ありがとうございました。


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「トイストーリー4」を鑑賞する。

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「トイストーリー4」
「トイストーリー4」
配給:東宝
制作:ディズニー・ピクサー・アニメーション
原作:ジョン・ラセター/アンドリュー・スタントン
脚本:ステファニー・フォルソム/アンドリュー・スタントン
監督:ジュシュ・クーリー
2019年7月12日封切り

ピクサー自慢のマイルストーンムービー「トイストーリー」が帰ってきた。実に九年ぶり。ジョン・ラセター無き後、あの傑作「トイストーリー3」の正統な続編だ。「トイストーリー3」があまりに見事な映画だったので、なんで今更感は増し増しだったが、なんのなんの。3が綺麗事に思えたひねくれ者には打ってつけの続編だろう。

映画は3ではすでに姿を消していたウッディの恋人、陶器人形のボーがどうして別れることになったかの顛末から始める。飽きやすく身勝手なこどもたち。それはそのままアンディからおもちゃを託されたボニーへの写し絵となる。
ウッディは飽きられかかっていた。だが感受性豊かで引っ込み思案なボニーを見守ることに躊躇はない。それが自分の存在意義だと信じて疑わない。
ある日ボニーは幼稚園の工作でフォークのおもちゃを自作した。フォーキーと名付けられたそれは他のおもちゃ同様に意識を持つ様になるが、自分の本分は使い捨て食器だと思っている。スキあらばゴミ箱に戻ろうとするフォーキーを「お前はボニーお気に入りのおもちゃなんだぞ!名誉なことなんだ!」と諭すウッディ。バズの時とは逆だ。スペースレンジャーであると信じているバズ・ライトイヤーを「単なるおもちゃなんだ!空なんか飛べない!」と一番人気を持って行かれて嫉妬していたウッディ。それが今は…。
おもちゃである事に納得できないフォーキーはついに脱走してしまう。追いかけるウッディ。この逃避行でふたりは和解するが、帰る途中で見かけたアンティークショップに懐かしいボーの照明を見つけて潜入することに。そこに居たのはウッディと同じアンティークトイのギャビー・ギャビーだった。

この後映画はアッと驚く価値観の転換を示唆して終わる。
それは今までの123を否定するものではないが、観客にある種の救いを用意する。

まさしくバズの決め台詞「さぁ行こう!無限の彼方へ!」なのだ。


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「天気の子」を鑑賞する。

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「天気の子」
「天気の子」
配給:東宝
制作:コミックス・ウェーブ・フィルム
原作:新海誠
脚本:新海誠
監督:新海誠
2019年7月19日封切り

「君の名は。」で新境地を開いた新海監督の新作だ。「雲のむこう約束の場所」を観たときの不満をふつふつと思い出したが、手管の多彩になった監督には問題では無かった様だ。なによりあの頃とはスタッフが違う。
異常気象で雨の降り止まない東京。田舎から逃げてきた少年森嶋は新宿で暮らすうち、局所的に天気を変えられる少女天野と出会う。貧しいふたりはその能力でお金を稼げないかと画策するが…。

以下ネタバレあり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雨に降り込められた新宿がまるでブレードランナーの様で。ツテを持たない子供に冷たい大人たち。持ち出したお金もあっという間に底を尽き、雨をしのぐ屋根もない。ツラい…ストレスの溜まる展開。救いは森嶋があまり深刻に落ち込まないところだ。どうしようもなくなる前に大人を頼る賢明さもある。須賀や天野との出会いは新宿での暮らしをかけがえのないものと思わせるには十分だったろう。にも関わらず…。
映画では雲を晴らせる天野を晴れ女としてその能力に焦点があたるが、むしろずっと雨ばかりになる天候の方が大問題なのでは。未知の自然現象、雲の上の巨魚の群れを描写しておいて、その解決に話が行かないのは視点が無力な子供である二人に向くから。視野も狭いし、やれることも限られてくる。周囲の大人は常識を振りかざすだけで助けにならない。そりゃ天野を救う為なら東京の一つや二つは水没させるだろう。

人間はずっと雲の晴れない時代を一つ知っている。数十万年に及ぶその間に滅びかけた。第四氷河期という。雨の続く気象を異常だと思うのは人間の都合で、たまたま人類の発展したこの数千年が晴れ間の多い間氷期だっただけだ。このシナリオがまだ身勝手な子供のわがままに思えないのは、そういう背景にもきっちりと筆を取っているからだろう。

これを斬新と取るか、二番煎じと取るかは、観た人のヲタク度によると思う。これが広く一般に受け入れられたら、世の中はちょっと変わったと思えるかな。面白かった。


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「ゴジラ KING OF THE MONSTERS」を鑑賞する。

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「GODZILLA KING OF THE MONSTERS」
「GODZILLA KING OF THE MONSTERS」
配給:東宝
制作:レジェンダリー・ピクチャーズ/ワーナーブラザース
原作:マックス・ボレンスタイン/マイケル・ドハティ/ザック・シールズ
脚本:マイケル・ドハティ/ザック・シールズ
監督:マイケル・ドハティ
2019年5月31日封切り

エドワーズ版ゴジラの続編だ。
間に「キングコング髑髏島の巨神」というのがあるらしいが観ていない。
今回は何故か当のギャレス・エドワーズが一切関わっていないが、映画は東宝怪獣映画への愛に満ち溢れた傑作だった。このマイケル・ドハティという監督は全く知らないが怪獣バカと言う点ではギャレス以上の大馬鹿だろう。

以下ネタバレ有り。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
話はゴジラとムトーが決戦した晩から始まる。
あの対決に巻き込まれ離散したラッセル一家が今回の主役だ。
世間には大怪獣の存在を知ってて隠していたモナークへの批判があふれているが、実はモナークが監視している大怪獣はムトーやゴジラだけではなかった。確認されているだけで17体。ほとんどは休眠状態だが、それを叩き起こして怪獣大戦争を引き起こそうとモナークに襲いかかる環境テロリストが現れる。
テロを率いる元軍人のジョナが狙うのはラッセル夫妻が製作した怪獣を音波でコントロールする装置オルカ。これを使って南極で発見された最大の怪獣キングギドラを起こそうというのだ。時同じくして芹沢博士が監視していたゴジラが数年ぶりに活動を開始、向かうは南極だ。ギドラの復活を感じたのだろうか。芹沢とモナークはこれを阻止できるのかッ!

…ラッセル夫妻はとくに活躍しませんね。まぁ奥さんの方は実は怪獣大戦争の立案者だったという、悪い方で話を引っ張りますが。ご主人はねぇ…。酒に溺れてたというだけあって陰が薄い。モナークや軍にたてついて娘探しに奔走しますが、ゴジラを助けようとしているモスラの姿を見て考えを改めます。浅はかな人ですネ。二人の娘マディソンは出来物のお母さんにくっ付いていますが、ラドンを起こすのに地元の市民を見殺しにしたお母さんに疑問を抱きます。
そんなラッセル一家の葛藤を横糸に、描かれるのは大怪獣の大決戦です。今回はECMをかけてくる様な掟破りな生物も居ないので、米軍大活躍かと思いきや、あまり思い切った飽和攻撃を行いません。行えないのですが、怪獣決戦に水を差したくなかっただけなのかも知れません。

ドハティ監督は本当に怪獣映画が好きな様で、東宝のみならずガメラやガッパなどからも引用を行なっていて、それが盗んだというより明らかなリスペクトなので、日本の特撮映画がこれほど愛されているのだなーと感慨に耽りました。

これが逆なら、日本の映画人は欧米のSF映画にこれほどのリスペクトを行えているかと。
アニメなら十分に恩返し出来てそうですけどね。

いや面白かったです。ありがとう、マイケル。


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