「劇場版SHIROBAKO」を鑑賞する。

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「劇場版SHIROBAKO」
「劇場版SHIROBAKO」
配給:ショウゲート
制作:P.A.WORKS
原作:武蔵野アニメーション
脚本:横手美智子
監督:水島努
2020年2月29日封切り

ガールズ&パンツァーから五年ぶり、自身の監督作品としては六本目の劇場作品は劇場映画を作るムサニの奮闘物語だ。
これも焼き直しと云えば焼き直しだけど…。TVシリーズではしがない下請けプロだったムサニ(武蔵野アニメーション)が元請けとして信用と実力を勝ち取るまでの悪戦苦闘、今回は不渡りをつかまされ、それまでの蓄積を一切失い、下請けに逆戻りした底辺からの復活劇。冒頭から失意の連続。活気を喪ったムサニの暗澹たる日々。かつての仲間は生活を守るために雲散し、なんとか会社の体裁は保っているが毎日が自転車操業。周囲からは「夢を仕事にできるなんてうらやましい」などと無責任に揶揄される。そんな折に再び元請けからの無理難題。おなじみの「万策尽きたーッ!」は出なかったけど、そこからの起死回生ッ!こんな状態からの逆転、綱渡り、チームの復活はTVシリーズそのままの醍醐味だ。
そういう意味で新味はない。宮森が制作を決意するミュージカルシーンや公開三週前で差し替えられる脱出劇など映画ならではの奥行きある描写は見応えあるが、まずは安定した作劇だろう。疲れてる時にはいいかも知れない。今は現に疲れてるから面白かった。話題の「ミッドサマー」とどっちにしようかと思ったが、この選択も正解だったのだろう。ありがとうございました。


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「アナと雪の女王2」を鑑賞する。

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「アナと雪の女王2」
「アナと雪の女王2」
配給:東宝/ウォルト・ディズニー・ジャパン
制作:ウォルト・ディズニー・アニメーション
原作:クリスチャン・アンデルセン「雪の女王」
脚本:ジェニファー・リー
監督:クリス・パック/ジェニファー・リー
2019年11月22日封切り

意外、と言ってはなんだけど、面白かった。
前作はヒトとはちょっと違う異能のエルサが、引きこもりの果てに魔物へと転落するのを妹アナの献身が救う社会復帰の物語だったけど、今作はその異能の因って来たる根本を探る自分探しの旅だ。
アレンデール王国の統治も早三年が過ぎ、政務も滞りなく行えるようになったエルサだが、その心には自分に呼びかけるものの声を聞いて昂ぶるものを感じていた。
ある時たまらず声に応えるとアレンデールの街を異変が襲う。フィヨルドの奥に、自分を呼ぶ者が居る…。国民を避難させて探検に出かけようとする姉を押し留められないと知ったアナは自分の同行を強要するのだった。
今回も歌といい、現れる精霊のイメージといい、素晴らしいイマジネーションで観客を北方の森林地帯へと誘ってくれる。自分らの亡き祖父ルナード国王とドルイドを思わせる北方の民ノーサルドラとの確執。森を覆う霧の壁。なんとなく「メリダとおそろしの森」を思わせるが脚本の完成度はこっちの方が上だ。
強いて言えば…コレはネタバレと言えるかも知れないが、状況が原作に近づいた気がして、いささかハッピーエンドぽくない感じがするかな。
いやでも素晴らしかった。


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「この世界のさらにいくつもの片隅に」を鑑賞する。

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「この世界のさらにいくつもの片隅に」
「この世界のさらにいくつもの片隅に」
配給:東京テアトル
制作:2019「この世界の片隅に」制作委員会
原作:こうの史代
脚本:片渕須直
監督:片渕須直
2019年12月20日封切り

前作「この世界の片隅に」では泣く泣く切ったという遊郭のリンさんのエピソードを復活させた「さらにいくつもの」を観て来ました。
そうそう、俺の知ってるすずさんはこういう人、みたいな印象です。ただおっとりしてるだけでない、どろどろとした情念を抱えて、それでも毎日を生きている。
六月二十二日の呉港爆撃の後でも八月六日の原爆地獄の後でも、八月十五日の終戦の詔の後でも、世界は終わったかに見えて情け容赦なく続いていく。前作ではこの辺がボンヤリしてていまひとつ乗れなかったけれど、今作は漫画版の印象にかなり近い。無くした右手のエンディングも今回は飲み込めた。出来ればすずさん幼少期の怪異な体験に説明がついてしまう後半部分とか、B-29が現れた事によって人類が初めて目にする成層圏の飛行機雲の解説なんかも盛り込んで欲しかったけど、現状で三時間に迫る大作に、劇場での回転を考えると限界かもしれん。
映画版ならではの衝撃的な空襲場面は良かった。あのリアリティ、腹に響く爆撃の轟音。米軍の爆撃機がギラッと光る描写は漫画版では望めない。対空砲弾の破片が農地をえぐる描写もいい。
ありがとうございました、片渕監督。面白かったです。


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「宇宙よりも遠い場所」4巻を鑑賞する。

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「宇宙よりも遠い場所」BD_04
「宇宙よりも遠い場所」4巻
Blu-layDisc
原作:よりもい
脚本:花田十輝
監督:いしづかあきこ
販売:2018年6月27日
購入:2019年1月17日
価格:8020円(税込)


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「宇宙よりも遠い場所」3巻を鑑賞する。

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「宇宙よりも遠い場所」BD_03
「宇宙よりも遠い場所」3巻
Blu-layDisc
原作:よりもい
脚本:花田十輝
監督:いしづかあきこ
販売:2018年5月25日
購入:2019年1月17日
価格:8260円(税込)


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「宇宙よりも遠い場所」2巻を鑑賞する。

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「宇宙よりも遠い場所」BD_02
「宇宙よりも遠い場所」2巻
Blu-layDisc
原作:よりもい
脚本:花田十輝
監督:いしづかあきこ
販売:2018年4月25日
購入:2019年1月17日
価格:8020円(税込)


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「宇宙よりも遠い場所」1巻を鑑賞する。

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「宇宙よりも遠い場所」BD_01
「宇宙よりも遠い場所」1巻
Blu-layDisc
原作:よりもい
脚本:花田十輝
監督:いしづかあきこ
販売:2018年3月28日
購入:2019年1月17日
価格:8020円(税込)


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「スパイダーマン:スパイダーバース」を購入する。

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「スパイダーマン:スパイダーバース」
「スパイダーマン:スパイダーバース」
Blu-layDisc
原作:スタン・リー/スティーブ・ディッコ
脚本:フィル・ロード/ロドニー・ロスマン
監督:ボブ・ベルシケッティ/ピーター・ラムジー/ロドニー・ロスマン
販売:2019年8月7日
購入:2019年9月19日
価格:4600円(税込)


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「この素晴らしき世界に祝福を!紅伝説」を鑑賞する。

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「この素晴らしき世界に祝福を!紅伝説」
「この素晴らしき世界に祝福を!紅伝説」
配給:松竹/KADOKAWA/映画このすば製作委員会
制作:J.C.STAFF
原作:暁なつめ/三嶋くろね
脚本:上江洲誠
監督:金崎貴臣
2019年8月30日封切り

映画の日である。映画ファンとしてはタランティーノ監督の新作を是非にも観ないといけないところだが、疲れているので「このすば!」を観てきた。この選択は間違ってないと思う。
TV版では何度も建前や綺麗事をかなぐり捨てた本気の殴り合いの中で、ほのかな友情を育ててきた本作。劇場版でも然りであった。
冒頭、いきなりクエストに失敗し、借金の重さと悪罵に耐えながら責任を擦り付け合うカズマさんチーム。そこへめぐみんの自称宿命のライバルゆんゆんが訪れてカズマに子作りをせがむ。上々のアホな滑り出しだ。聞けばめぐみんとゆんゆんの生まれ故郷、紅魔の里が魔王軍の襲来を受けていると言う。族長でもある父、ひろぽんの身を案じて故郷へ帰るゆんゆん。強い魔力を有する紅魔族が魔王軍ごときに遅れを取るわけがないと、強がるめぐみんを煽り立てその後を追うカズマさんチーム。そこで見たのは平原を埋め尽くす女オークの群だった…。
このネーミングからクエストの中身まで真面目に働いているのが馬鹿らしくなる脱力ぶりだが、この話の魅力はそんな世界でも市井の人々が事細やかに暮らしている姿だ。今回は紅魔の里で暮らしていためぐみんの前半生が描かれる。貧しいながらも二人の娘を愛を持って育ててきたひょいざぶろーとゆいゆい夫婦、カズマが自分らより数段上の金持ちと知るとめぐみんを生贄に差し出そうとする。それにまんまと乗っかるカズマ。美しい二段オチだ。そして魔王軍幹部のシルビアが魔力で勝る紅魔の里を襲う理由とは…。

以下にネタバレあり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅魔族が無力化された後に立ち向かえるのはゆんゆんとめぐみんだけになった。カズマの作戦に乗って対シルビア戦に臨もうとする時、その分の悪さにおびえるめぐみんをゆんゆんが励ます。「そんな無茶な作戦を立てられるのも、カズマさんがめぐみんの爆裂魔法を信じているからですよ。なのにめぐみんは自分の魔法を信じられないの?」爆裂魔法を極めるためにステータスを全フリしてきためぐみんだ。ここで奮い立たねば女がすたる!

…だが自分が満遍なく上級魔法を使える上位のウィザードなら、カズマを危険な目に合わさずに済んだという負い目から、ランクアップを申請するめぐみん。若い頃のロマンを捨てて大人になろうとするめぐみんにカズマが取った行動とは。…泣けた。面白かったです。ありがとうございました。


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「トイストーリー4」を鑑賞する。

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「トイストーリー4」
「トイストーリー4」
配給:東宝
制作:ディズニー・ピクサー・アニメーション
原作:ジョン・ラセター/アンドリュー・スタントン
脚本:ステファニー・フォルソム/アンドリュー・スタントン
監督:ジュシュ・クーリー
2019年7月12日封切り

ピクサー自慢のマイルストーンムービー「トイストーリー」が帰ってきた。実に九年ぶり。ジョン・ラセター無き後、あの傑作「トイストーリー3」の正統な続編だ。「トイストーリー3」があまりに見事な映画だったので、なんで今更感は増し増しだったが、なんのなんの。3が綺麗事に思えたひねくれ者には打ってつけの続編だろう。

映画は3ではすでに姿を消していたウッディの恋人、陶器人形のボーがどうして別れることになったかの顛末から始める。飽きやすく身勝手なこどもたち。それはそのままアンディからおもちゃを託されたボニーへの写し絵となる。
ウッディは飽きられかかっていた。だが感受性豊かで引っ込み思案なボニーを見守ることに躊躇はない。それが自分の存在意義だと信じて疑わない。
ある日ボニーは幼稚園の工作でフォークのおもちゃを自作した。フォーキーと名付けられたそれは他のおもちゃ同様に意識を持つ様になるが、自分の本分は使い捨て食器だと思っている。スキあらばゴミ箱に戻ろうとするフォーキーを「お前はボニーお気に入りのおもちゃなんだぞ!名誉なことなんだ!」と諭すウッディ。バズの時とは逆だ。スペースレンジャーであると信じているバズ・ライトイヤーを「単なるおもちゃなんだ!空なんか飛べない!」と一番人気を持って行かれて嫉妬していたウッディ。それが今は…。
おもちゃである事に納得できないフォーキーはついに脱走してしまう。追いかけるウッディ。この逃避行でふたりは和解するが、帰る途中で見かけたアンティークショップに懐かしいボーの照明を見つけて潜入することに。そこに居たのはウッディと同じアンティークトイのギャビー・ギャビーだった。

この後映画はアッと驚く価値観の転換を示唆して終わる。
それは今までの123を否定するものではないが、観客にある種の救いを用意する。

まさしくバズの決め台詞「さぁ行こう!無限の彼方へ!」なのだ。


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