「君たちはどう生きるか」
配給:東宝
制作:スタジオジブリ
原作:吉野源三郎
脚本:宮崎駿
監督:宮崎駿
2023年7月14日封切り
ミヤさんの新作を鑑賞して来ました。
鈴木PDの思惑など知りませんが、ネタバレを忌避される方は観賞後にお読みください。
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鑑賞日:2023年7月26日
完成してたのかよ…。宣伝を見なかったのはそういう広告なのだということで、宮崎駿のネームバリューだけでどこまで伸びるのか、「カリオストロの城」に対する当てつけなのか、などとつまらないことを考えての鑑賞でした。
まず真っ先に感じたのは宮崎駿の老い。「ハウルの動く城」以降の映画は観るも無惨なミヤさんタイミングの崩壊が随所に感じられる。もう彼には自分で全てをコントロールするだけの体力がない。気に入らなくてもスケジュールに負けて流してしまう、そんな投げやりさを感じました。思い込みかも知れませんが。
冒頭、疎開してから青鷺に話しかけられるまでが長い!意思の疎通が全方位で取れない事情を丁寧にしたいのか、とにかく間が長い。間は長いのだが観ていられるのは母親の実家と思しき屋敷の奇怪さだ。玄関に向かって長い石段。着いたかと思えば奥の深い屋敷は奥へ行くほど下がっていく。その先には泉があって、その周りには洋館が建っている。悪い夢に出て来そうな建築だ。
色々あって青鷺に害意を感じた眞人はこれを打とうするのだけれど、先手を打たれて叔母兼母の夏子を連れ去られる。なんとなく嫌悪を感じていた叔母だけども見捨てるに忍びなくて青鷺の挑発に乗って洋館の廃墟へと向かう。ここからが冒険の始まりだが、ワクワクなどまったくなくて、辺りには陰鬱とした死の臭いが漂っている。なんか筋が通っている様で不可解な展開はまさに悪夢を見ている様。わらわらとかペリカンとかインコ帝国に至ってはイマジネーションの洪水だ。石室の産屋はなんだか未来世紀ブラジルだったが、ひょっとして石と意思をかけた駄洒落だったのか…。
なんだかんだで眞人と夏子は無事帰還するけれどハッピーだったのか、これ。面白い様な面白くない様な、納得したのはインコ皇帝のお怒りのみ。
「なんという裏切りだ!」
星★★★★