「劇場版鬼滅の刃ー無限列車編」
配給:東宝/アニプレックス
制作:ufotable
原作:吾峠呼世晴
脚本:ufotable
監督:外崎晴雄
2020年10月16日封切り
日本の興行史を塗り替えんばかりに破竹の進撃を続ける映画を観てきた。原作漫画が人気出始めた頃はどこかで見た様な漫画だ、新味はない、などと斜に構えた意見も多かったし、今でもそうだとするひとも多いが、TVアニメ版の丁寧な作りが評判を呼び、満を持しての劇場版新作が公開をコロナ禍で延期され、待ちに待った封切りは娯楽に飢えた観客の満足に十分応える出来だった。
物語はTVアニメ版の続きで、それまでを説明する様な描写は一切ない。一本の映画としては不親切極まりないが、TV版が原作の三分の一辺りで終了しており、大正の好景気に沸く日本の闇で暗闘する鬼と鬼殺隊のその後を待ち望んでいた視聴者にはまったく問題なかった様だ。
かく言うわたしも原作は未読、TV版は総集編を見たのみだったが、面白かった。
人外の異能を示す鬼達との能力バトルは、ジョジョシリーズの様でもあり、忍者武芸帳のソレでもある。ヒトを捨てて鬼となった自分を上位種として誇る鬼と人間のままその脅威に対抗しようとする鬼殺隊の戦いは正に人間讃歌。ディオ・ブランドーとジョナサン・ジョースターの戦いそのものだ。
今回の敵は多くの鬼殺隊士を屠っており、鬼どものエリート集団「十二鬼月」の誰かと思われ、鬼殺隊でも名うての「柱」から最強と名高い煉獄杏寿郎が派遣された。その支援に主人公竈門炭治郎らがまわされる。
走行中の汽車の中、周りは夜の闇に囲まれて、電気灯のまたたく時、その陰からのそりと鬼が現れる…。この雰囲気が堪らない。早速二体の鬼を倒し、意気軒昂の面々だったが、すでに十二鬼月下弦の壱、魘夢の術中に陥っていたのだ。魘夢の異能は昏睡。夢を操って人の心を蝕む。慎重かつ狡猾な魘夢の技を打ち破れるか、鬼殺隊!
続編も待ったなしだ!
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